アングラの帝王 俳優すまけいさん死去

 60年代に新宿の小劇場で活躍し「アングラの帝王」と呼ばれ、映画「男はつらいよ」シリーズなどにも出演した、俳優のすまけいさん(本名須磨啓)が7日午後5時36分、肝臓がんのため東京都新宿区の病院で死去した。78歳。北海道出身。葬儀・告別式は13日午前11時から東京都新宿区上落合3の4の12、最勝寺で。喪主は妻・洋子(ようこ)さん。

 「アングラの帝王」と呼ばれた個性派が、天国へと旅立った。

 所属事務所によると、すまさんは7日の午後5時36分、都内の病院で息を引き取った。最期をみとったのは妻の洋子さんと、事務所の代表の2人だったという。

 近年は病魔との闘いだった。99年にぼうこうがんが見つかり、摘出手術を受けた。手術は成功、その後は人工ぼうこうで生活を続けたが、01年に脳梗塞を発症。10年には大腸がんの開腹手術を受けたが、それ以降も全身にがんの転移がある状態だったという。

 最後の仕事になったのが、今年3月2日に千葉市内で行われた朗読劇「天切り松 闇がたり」だった。当時も体調は優れなかったが、不安を感じさせることなく舞台をつとめあげたという。10月中旬には体調が悪化し、11月12日に入院。入院当初は意識もクリアで周囲と会話できる状態だったが、体力は少しずつ衰えていった。

 すまさんは66年に「すまけいとその仲間」を結成、新宿の小劇場で活躍し「アングラの帝王」と呼ばれた。解散後に演劇活動から離れたが、故井上ひさしさんが座付き作家の劇団「こまつ座」に誘われ、85年に「日本人のへそ」で舞台に復帰。代表作の「父と暮らせば」は何度も再演された。

 映画では山田洋次監督作品で名脇役として個性を光らせ「男はつらいよ」シリーズには5度出演。同監督の「キネマの天地」(86年)では、第29回ブルーリボン賞助演男優賞を獲得した。

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