高橋昌也さん死去「女の一生」など出演

 重厚さと軽快さを巧みに演じ分け、芸域の広い脇役として活躍した俳優で演出家の高橋昌也(たかはし・まさや)さんが16日午後5時55分、呼吸不全のため山梨県内の病院で死去していたことが22日、分かった。83歳。東京・牛込出身。葬儀・告別式は本人の遺志により家族葬で行った。喪主は妻ちあきさん。

 高橋さんは親交の深かった女優・黒柳徹子(80)に正月過ぎ「お雑煮も食べて、感謝、感謝。舞台楽しくやりましょう」とファクスを送るなど「年末年始も自宅にて元気で過ごしていた」(ちあきさん)。3~4月には黒柳主演の舞台「想い出のカルテット~もう一度唄わせて~」の演出を控えており、「まもなく稽古が始まることを大変楽しみにして」(同)いたという。

 しかし、呼吸器系の加療のため病院に行ったところ、容体が急変して亡くなった。

 高橋さんは劇団俳優座の養成所に入り、1953年に初舞台「襤褸(ぼろ)と宝石」で主演。54年、小沢昭一さんらと劇団新人会を結成後、劇団四季、文学座、劇団雲を経て75年、演劇集団円の設立に参加した。他の出演舞台に「榎本武揚」などがある。70年代後半からは演出家の仕事に力を入れた。

 円を退団後、87年から99年まで銀座セゾン劇場(後のル テアトル銀座)の芸術総監督。96年読売演劇大賞演出家賞を受賞した「幸せの背くらべ」をはじめ、黒柳の舞台などを手掛けた。

 映画は増村保造監督の「女の一生」や「日本沈没」など多数出演。昨年も前田敦子(22)主演の「クロユリ団地」や松本人志(50)監督の「R100」に出演した。テレビドラマにも多数出演した。

 私生活では女優の加藤治子と結婚、後に離婚。99年に38歳下のちあきさんと再婚した。93年には末期食道がんを患い食道を全摘出したが、再起した。

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