中川安奈さん 闘病数年がんに死す…
映画「敦煌」(1988年)でデビューし、舞台を中心に活躍していた女優の中川安奈(なかがわ・あんな、本名栗山安奈=くりやま・あんな)さんが17日午前8時40分、子宮体がんのため都内の病院で死去した。49歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で行い、後日「お別れの会」を開く。喪主は夫で演出家の栗山民也氏(61)。中川さんは9月末に体調不良で舞台「ジュリアス・シーザー」を降板し、自宅療養していた。
中川さんは今年4月に栗山氏の代理として「第39回菊田一夫演劇賞」の授賞式に出席するなど最近まで元気な姿を見せていたが、その裏では必死に病魔と闘っていた。
関係者によると、数年前からがんを患っており、抗がん剤などの治療を受けていたという。常に病気と向き合い、体調を見ながら仕事を続けていた。
最後の仕事は今年9月23日。レギュラーを務めるNHK-FM「音楽遊覧飛行」(月~木、前9・20)のナレーション収録だった。この頃から体調は徐々に悪化していたが、現場では次回の収録に対して意欲を見せていたという。しかし、本人の意思とは裏腹に体調は戻らず、27日に「ジュリアス・シーザー」の降板を発表。その後は自宅療養し、最期は栗山氏にみとられた。
中川さんと栗山氏は91年の舞台「バタフライはフリー」で女優と演出家として知り合い、92年に結婚。栗山氏は17、18日に都内で行われた、演出を手がけるミュージカル「スリル・ミー」(11月7~24日、東京・天王洲銀河劇場)の稽古を欠席し、約22年連れ添った最愛の妻に付き添っていた。
弔問した関係者によると、中川さんは生前と変わらない美しい顔をしていたという。
なお、中川さんが最後に出演した「音楽遊覧飛行」は今月13~16日に放送済みだが、20~23日の午後5時20分から再放送される。NHKによれば、冒頭に「おことわり」を入れて放送するという。