ワイルドワンズ加瀬さん死去 自殺か?
「想い出の渚」のヒットで知られるグループサウンズ「ザ・ワイルドワンズ」のリーダーとして活躍した加瀬邦彦(かせ・くにひこ)さんが東京都港区の自宅で死去していたことが21日、分かった。74歳。東京都出身。葬儀・告別式、喪主は未定。加瀬さんは過去にがんで治療を受けたことを公表。昨年1月ごろから体調不良を理由に自宅療養していた。自殺したとの情報もある。
加瀬さんは慶応高校在学時に、当時慶大生だった加山雄三からギターを習ったのをきっかけに音楽の道に進んだ。1963年にスパイダースに加入し、その後、「寺内タケシとブルージーンズ」に参加。66年に「ザ・ワイルドワンズ」を結成した。
加瀬さんが作曲したデビュー曲「想い出の渚」は、夏の日の出来事を切ないメロディーに乗せて歌い大ヒット。発売された66年はビートルズの来日公演が行われた。日本武道館の客席で公演を目の当たりにし刺激を受けた加瀬さんはワイルドワンズを結成した。
ワイルドワンズは、グループサウンズブームをけん引。得意の12弦ギターを操り、明るく爽やかなサウンドで人気を集めた。
71年の解散後は、作曲家やプロデューサーとしても活躍。沢田研二の「危険なふたり」「TOKIO」、アン・ルイスの「女はそれを我慢できない」などを手掛けた。
81年にはワイルドワンズを再結成、精力的に活動。加瀬さんがオーナーを務める銀座のライブハウス「ケネディハウス」で定期的にライブを行った。
関係者によると、加瀬さんは体調不良を理由に、昨年1月ごろからライブを休演。その後は自宅療養し、その他のメンバーでライブを続けていたという。
加瀬さんの死が明らかになったのはくしくも、大好きなビートルズのポール・マッカートニー来日公演の日だった。