上方の女性漫才コンビ「海原お浜・小浜」として活躍した海原小浜（うなばら・こはま、本名田中桃江＝たなか・ももえ）さんが２４日に死去したことが２８日分かった。９３歳。岡山県高梁市出身。葬儀・告別式は２７日に家族葬として行った。

　小浜さんは１９４３年、叔母のお浜さん（９４年、７８歳で死去）とコンビを結成し戦後、大阪に移住した。

　当時の女性漫才は、楽器を持って歌うのが主流だったが、お浜・小浜はしゃべくり漫才一本で勝負。自在な話術が持ち味で、漫才の父こと漫才作家の秋田實による書き下ろし漫才で頭角を現した。「ロマンスもの」を得意としていた。

　６７年に上方漫才大賞、７５年に上方お笑い大賞を受賞し、女性漫才コンビの頂点に君臨。毎日放送「お浜・小浜の千客万来」などテレビでも活躍した。

　「今いくよ・くるよ」ら後進の女性コンビに多大な影響を与え、弟子として「海原はるか・かなた」「海原千里（現・上沼恵美子）・万里」「海原さおり・しおり」らを育てた。姉妹コンビ「海原やすよ　ともこ」は孫。

　お浜さんが眼疾のため７８年に引退後も１人でテレビの司会などで活躍。ラジオ関西「海原小浜の太陽におはよう」のパーソナリティーは７５年から９５年まで続いた。９５年、大阪市市民表彰・文化功労賞。

　２００１年に脳内出血で倒れたが０３年に復帰。０５年のトークイベントでは「まだ半分生きとります」と笑わせていた。０６年、上方演芸の殿堂入り。関係者によれば、ここ数年は高齢のため芸能活動を行っておらず、家族の世話になっていた。

　「やすよ　ともこ」はこの日、祖母の死去を報告。「漫才を愛し、芸人一筋で頑張ってきた海原小浜を応援してくださった皆さま、ありがとうございました」とお礼を伝えた。