さらば初代金さん…中村梅之助さん死去

亡くなった中村梅之助さん
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 ドラマ「遠山の金さん捕物帳」の初代金さん役などで知られる俳優で劇団前進座代表の中村梅之助(なかむら・うめのすけ、本名=三井鉄男=みつい・てつお)さんが18日午前7時25分、肺炎のため都内の病院で死去した。85歳。東京都出身。親族と劇団員で20日に密葬を行った。劇団葬を3月3日午前11時から東京・青山葬儀所(東京都港区南青山2の33の20)で執り行う。喪主は長男で俳優の梅雀(ばいじゃく、本名=進一=しんいち)さん。

 梅之助さんがすべてを注いだ前進座の節目の舞台に立つ願いはかなわなかった。

 コメントを寄せた梅雀(60)は「今年の年賀状に、5月の劇団前進座の85周年の舞台に立つ熱い思いをつづっておりましたのに、無念だったと思います」と父の思いを代弁。「劇団を守ろう、良い作品を作っていこう、お客さんに喜んでもらおうと、最後まで闘い続けた父を誇りに思います」と続けた。18日は大雪で、容体急変の知らせを受けて病院に駆けつけたが間に合わず、梅雀と先妻との間の娘(25)らが最期をみとったという。

 梅之助さんは20代で結核を患うなど、若い頃から病弱だった。60代で結腸の切除、片側の腎臓除去、脳こうそくなどが続き、体はボロボロだったという。

 梅之助さんは、前進座創設者の一員である中村翫右衛門(かんえもん)さんの長男として誕生。1938年に初舞台を踏み、翌39年に「勧進帳」の太刀持ちで四代目梅之助を名乗り、45年に前進座に入座。翫右衛門さんの死去に伴い、82年に前進座を継承した。

 歌舞伎の当たり役に「勧進帳」の弁慶、「魚屋宗五郎」の宗五郎があるほか、テレビでも活躍。77年のNHK大河ドラマ「花神」、テレビ朝日「遠山の金さん捕物帳」(70~73年)、日本テレビ「伝七捕物帳」(73年)に主演した。最後の舞台は家主甚八を演じた昨年5月の国立劇場公演「文七元結」だった。

 劇団の舞台を除くと、梅雀との共演はNHKドラマ「真田太平記」(85~86年)の徳川家康と秀忠の親子役の1度だけ。その後、共演チャンスがあり、梅之助さんは楽しみにしていたというが、実現することはなかった。

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