「ほこたて」は“サービス過剰”と社長
フジテレビの定例社長会見が29日、都内の同局で行われ、不適切な演出で打ち切りとなったバラエティー番組「ほこ×たて」について、亀山千広社長が「皆様にお詫び申し上げます」と謝罪した。また、“やらせ”は否定し、「あくまで過剰な演出」と説明した。
亀山社長はまず「見てくださった方や出演者、一般企業の方などみなさまにお詫び申し上げます」と謝罪。10月20日放送分での不適切演出が発覚し、27日以降の番組が打ち切りとなったことについて「演出は不可欠ですが、真剣勝負を標榜している番組である以上、バーを高く設定していたにもかかわらず、こういうことがあった。視聴者と信頼が保てなくなるため厳しい結果ですが、打ちきることになった」と改めて説明した。
フジでは全88回の放送をすべて検証。亀山社長は「勝敗をはなから決めていたら“やらせ”。その課程で“過度な演出”があった。言葉の使い方で言うと“過剰な演出”でしかない」とやらせは否定し、あくまで、バラエティーでの「過度な演出」と強調した。
また猿の首に釣り糸を巻き付けてラジコンカーで引っ張ったことについては「猿が実際に追っかけていた事実もある」と断った上で、「ただ、この番組においてはあってはいけない。演出がどこまで許されるんだというところからすると、“サービス過剰”になった」と“演出のサービス過剰”であるという主張を行った。猿に釣り糸を巻き付けた“演出”は視聴者から動物虐待との指摘を受けている。
大多亮常務によると、同番組については12月中旬にBPO(放送倫理・番組向上機構)の検証委員会の結果が出るという。
亀山社長は、演出を盛り上げるために、“過度”“不適切”な演出に走った今回の事例について、「すべての番組に当てはまる事例」として、社内に再発防止委員会を設置。番組のあり方を議論すべく、継続討議していくことを説明した。
また、「矛盾」の語源をテーマに、相反する2者を対決させる番組の企画については「すばらしい企画だと思う。矛盾というテーマ、真剣勝負というと、矛盾はそんなに散らばっているのか、知恵を使って面白く見せていくのがよかった」と評価。一方で、「盛り上げるという演出に走ったのが残念」と“過剰演出”に至った原因を分析し、「企画はいいが発明・発見ができなかった」と語った。
なお、後番組については、来年1月からレギュラー番組を予定していると明らかにした。