「まじめな性の悩み」に特化の鍼灸院 他府県からも来院 一人ひとりにじっくり対応

 性の悩みは多くの人々が抱える問題である一方、他人には相談しづらく、一人で抱え込んでしまいがち。最近では、カウンセリングをはじめ、性のモヤモヤについて相談できる場所が少しずつ増えてきている。今回は性の悩みを、体全体の調子を整えていくことで改善を目指すRISA鍼灸院の院長の長崎絵美さんに話を伺った。

 長崎さんは大阪で鍼灸院を営んでいる。通常の身体や心の悩みはもちろんのこと、対応する治療院が少ない性交痛やED(勃起不全)などの性の悩みにもアプローチしているのが大きな特徴だ。

 「鍼灸院をオープンさせた時は、女性の性機能に特化した施術でやっていきたかったけど、女性の性機能障害がそもそもあまり知られてなかった。一方で、男性のEDについては女性でも知っているくらい認知が大きかったので、初めは男性向けにアプローチしたんです。兵庫県から来られる方もいました」

 ED治療薬使用者の一部には、副作用を訴える人もいる。鍼灸院を頼る人には、これまで薬の治療を行ってきた上で、副作用に悩んだ人が多いという。「他にも、これからEDの治療を考えていて、薬の副作用について聞いた人たちが『副作用をガマンしてまで、自分はセックスをしたいのか』と考えたときに、鍼灸に希望を見出してくれる人がいるみたいです」と長崎さん。

クリニックと鍼灸院の大きな違いは、診察時間の違いだ。「どれだけお医者さんが優秀でいい人であっても、一人の患者さん向き合い、お話を聞ける時間は決まっています」。長時間患者と対話できるのは、鍼灸院だからこその強みだ。

 「患者さんが悩んでいる時に、原因をキッパリ伝えてしまうと、自分でじっくりと問題について考える余地がなくなってしまったり、心が置いてきぼりになってしまったり、というのはお医者さんも問題視していました。セックスセラピストやカウンセラーがもっと増えてほしいという話でもあるんですが…そういった意味でも、クリニックでは担えない部分を鍼灸でできているのかなって思います」

 性の悩みには、その人のこれまで生きてきた背景や、取り巻く環境が大きく関わっていることが多い。「相手が”自分で答えに辿り着く”ようにサポートするというのが、おそらく私の目指す理想の形です」とにこやかに語った。

 筆者もカウンセラーとして日本性科学会に所属している。会議の際に、医師らが「人の話を聞く訓練というのは医学部では受けてこなかった。学会の中でも、心理カウンセラーから傾聴を学び患者と向き合う必要がある」と話していたことがあった。いろいろな分野で活躍する人がつながり、協力することは、悩む人を支える大きな力になるだろう。

 (デイリースポーツ特約・とぅるもち)

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