【函館記念】ワープ、7歳で初タイトル

 「函館記念・G3」(15日、函館)

 我慢が実を結んだ。重賞初参戦の4番人気トランスワープが強烈な末脚を繰り出してV。7歳にしてうれしいタイトル奪取となった。次走は札幌記念(8月19日・札幌)か、新潟記念(9月2日・新潟)が有力。重賞2勝目となった大野は最高の形で北海道遠征を締めくくり、来週から新潟に主戦場を移す。2着はイケトップガンで、3着はミッキーパンプキン。1番人気トウカイパラダイスは4着に敗れた。

 歴戦の猛者をあっさりと蹴散らした。重賞初参戦でV。7歳馬トランスワープが、北の大地で高らかに本格化を宣言だ。

 道中は中団やや後方。「もっと前々で競馬をしようと思っていた。焦りましたね」と大野は苦笑いするが、言葉とは裏腹に落ち着いた騎乗が光った。覚悟を決めてインでじっくりと待機し、最速の上がり35秒7を引き出した。「想像以上の脚。スパッという感じ。気持ちよかったです」とさわやかな笑みを浮かべる。

 昨年7月に初騎乗。以後は付きっきりで調整を行って、函館でも連日のように感触を確かめた。「美浦でも攻め馬に乗せてもらっている。感慨深いです」。11年中日新聞杯(コスモファントム)以来の重賞2勝目は、密なコンタクト抜きには語れない。今回の勝利で〈3・2・0・1〉と抜群の相性を誇る人馬。「競馬の幅も広がってきた。どんな競馬でもできる」とさらに自信を深めたようだ。

 馬自身の充実ぶりも見逃せない。「これまでは飛節やトモが弱かった」とオーナーであるキャロットファームの関係者は語る。無理をせずに体質強化を待った陣営。09年12月~11年7月までは長期休養した。「その後は上がり33秒台の脚も使うようになった。変わりましたね」。手にした初めてのタイトルは我慢を積み重ねた成果だろう。

 近日中に放牧へ出され、次走は札幌記念か、新潟記念が有力。史上初となる函館記念覇者のサマー2000シリーズVを目指す。来週から新潟へ主戦場を移す大野も「札幌で使うなら行きたい」と再度の北海道遠征に意欲的。25歳の若武者と7歳馬が織りなすストーリーから、まだまだ目が離せない。

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