【札幌記念】イマージン大金星!

 「札幌記念・G2」(19日、札幌)

 また騎乗できる喜び。そして期待に応えたいという熱い思い‐。強豪牡馬相手でも、太宰にとっては負けられない一戦だった。フミノイマージンが直線外から抜け出してV。秋の大目標となるエリザベス女王杯(11月11日・京都)に弾みをつけた。2着にダークシャドウ、3着にはヒルノダムール。2年ぶりに出走したダービー馬ロジユニヴァースは最下位14着に敗れた。

 強豪牡馬をひと飲みにした。フミノイマージンが、秋の飛躍へと続く、重賞4勝目を挙げた。

 前半は定位置の後方から運び、馬群が凝縮した勝負どころで外から一気に動く大胆騎乗。「スムーズな競馬さえできれば強い馬。外からまくろうと思っていました。ちょっと早いかなと思ったけど、強かったですね」。太宰はホッとした表情で額の汗をぬぐった。

 「しれっと勝とうと思っていたけど、ガッツポーズが出てしまった」。3走前の阪神牝馬S(3着)をきっかけに、ここ2戦は鞍を譲る形となった。「悔しさもあったし、申し訳なさもあった。もう一度声をかけてもらって、期待に応えたかったから。この馬の力を出せたのがうれしかった」。デビュー14年目で重賞初勝利をつかんだ、最高のパートナーをVへエスコートした喜びを抑えられなかった。

 本田師はクールに喜びを表現する。「内で詰まる競馬ばかり。前に壁がなければ勝つと思っていた。もともとウチの主戦だから」。馬を信じて乗ってもらいたい。そんな思いから、この馬の全ての重賞勝ちに騎乗している鞍上に戻した。

 太宰はこの日が札幌初騎乗。指揮官はメーンと同じ舞台だった9Rに管理馬を使い、その背に太宰を乗せた。審議の対象になりながらも、そこで見事に札幌初V。一気に弾みをつけた。「使う予定を1週間早めてくれたんです。先生の気持ちは分かっていたし、1回乗って気が楽になりました」と太宰は笑顔を見せる。

 金星を挙げたフミノイマージンは栗東に戻り、秋に備える。「次は府中牝馬S(10月13日・東京)へ。エリザベス女王杯が最終目標」とトレーナー。伝統のG2戦を制した牝馬は、さらなる高みを目指す。

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