【フォワ賞】オルフェ快勝!いざ凱旋門

 「フォワ賞・仏G2」(16日、ロンシャン)

 日本が誇る5冠馬が華々しい世界デビューを飾った。凱旋門賞の前哨戦が16日、5頭立てで行われ、スミヨンとの新コンビで臨んだオルフェーヴルが先頭でゴールを駆け抜けた。同レースでの勝利は本番でも2着に好走した99年エルコンドルパサー以来で、日本馬の欧州重賞Vは00年のジュライCを制したアグネスワールド以来7勝目。最後方を追走し、最後の直線で最内を突いて抜け出した。現役日本最強馬は世界にその強さを見せつけるとともに、10月7日に同じ舞台で行われる本番に大きく弾みをつけた。

 「余力を残して勝つことができた」‐スミヨンの描いた通りの前哨戦Vで、日本のエースが一気に凱旋門賞の有力馬へと躍り出た。

 単勝1・7倍と断然の1番人気に推されたオルフェーヴルは、帯同馬のアヴェンティーノが予定通りに引っ張る展開を最後方から進めた。道中は何度か首を振り、行きたがるそぶりをみせたが、前に馬を置くと仏のトップジョッキーが何とかなだめて流れに乗った。

 5冠馬が一気に動いたのはフォルスストレートを抜け、最終コーナーを迎えた地点だ。最内のラチ沿いからコーナリングで差を詰めて、先頭のアヴェンティーノの直後までポジションを上げると、残り300メートルで早くも先頭へ。外から必死に追い上げるG1を連勝中の2番人気ミアンドル、10年のジャパンC(10着)にも参戦した3番人気ジョシュアツリーに、最後まで馬体を並ばせることなく悠々と1馬身差でフィニッシュを決めた。

 凱旋門賞を勝つために‐苦渋の決断の末、主戦の池添からスミヨンにスイッチして臨んだ一戦。凱旋門賞2勝ジョッキーは期待通り、一発回答で結果を出した。2度目のコンビとなる本番は、さらに人馬の一体感も増してくる。力を要する欧州特有の芝も難なくクリア。むしろ、この日の走りは得意とする馬場ではないかとすら思わせた。

 エルコンドルパサー、ナカヤマフェスタが栄冠まであと一歩のところで涙をのみ、あのディープインパクトも悪夢を見た。今年で91回目を迎える長きに渡るレース史のなかでも、欧州調教馬以外の勝利がいまだにない最高峰の舞台。現役日本最強馬が、いよいよ歴史の扉に手をかけた。

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