【JC】オルフェよれても池添合格点
「ジャパンC・G1」(25日、東京)
5冠馬の意地と貫禄を見せる。21日、凱旋門賞2着以来となるオルフェーヴルの最終リハは、2週連続で主戦・池添を背に栗東坂路へ。ラスト1Fで抜け出してからよれるなど、“らしさ全開”のパフォーマンスで豪快に3馬身半先着した。「勝つことしか考えていない」と力を込める鞍上。日本最強馬との黄金タッグ復活で、国内復帰戦を勝利へと導く。なお、22日に出走馬と枠順が確定し、馬券は23日に一部ウインズで前々日発売される。
まさに“型破り”な最終デモだった。オルフェーヴルは2週続けて池添を背に、栗東坂路でバトードール(5歳1600万下)との併せ馬。序盤は馬なりのまま加速すると、左ステッキ連発で懸命に追われる僚馬を、残り300メートル手前で早々に置き去り。ラスト200メートルのハロン棒を合図に仕掛けられると、一度は左に行く場面も。鞍上が立て直すと、今度は凱旋門賞時のように右に大きくよれてフィニッシュした。
やんちゃな一面を見せたが、鞍上は「きょうも先週同様、最後の1Fで1頭になってからやってくれという指示。1頭になって左に行ったり、右に行くところがあったが、それがこの馬なのかなと思う。あまり心配はしてないですよ」と周囲の不安を一掃する。4F53秒2‐39秒2‐12秒9のタイムで、きっちりと3馬身半先着した。「先週より息遣いもいい。走りもいい意味で変わりないし、重めの馬場で最後まで踏ん張っていた」と合格点を与える。
再び巡ってきたチャンスを逃すつもりはない。仏遠征を前に一度はコンビ解消となった。池添自身は「もう乗ることはないと思っていましたね。凱旋門賞を勝って引退すると思っていましたから」と胸の内を明かす。それだけに、再び指名してくれた期待は十分に感じている。「国内初戦は注目されるし、勝つことを期待されると思う。僕自身も勝つことしか考えていません」とキッパリと言い切った。
5冠馬の特徴は知り尽くしている。「久々の左回りですが、もともとどっちでも多少はもたれるところがある馬。そこは僕が気をつけて乗ればいいだけですから」。デビューから14戦連続でコンビを組み、ともに栄光も挫折も経験した。「あとは折り合い。しっかり折り合いをつけることが、この馬にとっては大前提」と気を引き締める。
宝塚記念は陣営が「7割」と評する状態で勝利を手にした。「調子を上げていた段階の宝塚と比べれば、いい状態だと思う。あとは、僕が勝つためにしっかり乗るだけですね」。迷いはない。池添&オルフェーヴルが、国内復帰戦で“現役最強”を証明する。