【JC】オルフェまた大外「いじめ」

 「ジャパンC・G1」(25日、東京)

 もはや、神のいたずらでは片づけられない。22日に出走馬と枠順が確定し、オルフェーヴルは8枠17番となった。今年6戦目にして5度目の大外枠。外に逸走した阪神大賞典、見せ場なく終わった天皇賞・春などかつては苦しんだ“試練の枠”だが、フォワ賞を制し凱旋門賞でも2着と好走している。国内復帰戦を堂々と白星で飾る。なお、馬券は23日に一部ウインズで前々日発売される。

 もはや理屈では説明のつかない“事件”だ。凱旋門賞2着馬オルフェーヴルの国内復帰戦は8枠17番からのスタートとなった。今年は国内外を含めて、宝塚記念を除く5戦が大外からの発進。6戦中5戦、その確率は実に35万2512分の1だ。宝塚記念V以来の再タッグとなる池添は「いじめですねえ」と笑顔でジョークを飛ばしながらも「決まったものは仕方がない。(土日は)東京で乗るので、それも踏まえて考える」と勝利への作戦を脳裏に巡らせる。

 今年初戦の阪神大賞典では3角で逸走。調教再審査の影響もあったとはいえ、続く天皇賞・春では11着と大敗。大外枠に苦しめられきた。しかし、5頭立てとはいえ、フォワ賞を快勝、凱旋門賞でも2着に入っている。ジャパンCの歴史に目を転じると、92年のトウカイテイオーのV以来、大外枠は実に19連敗中と厳しいデータはあるが、既に“大外枠恐怖症”は克服済みと言っていいだけに問題はないはずだ。

 陣営も気にする様子はない。兼武助手は「ペースもヨーロッパと違って流れるだろうし、外だからという不安はない」と強気な姿勢を崩さない。枠順発表前から池江師も「別に大外枠でも大丈夫。極端な内枠よりいい」と話しており、不利を受ける危険性がある内よりスムーズに運ぶことが可能な外枠を希望していた。

 追い切り翌日の木曜日は、乗り運動でじっくりと体をほぐし、体調を整えた。師は「順調に来ているという感じですね」と前向きに話しながらも「きついスケジュールであるのも事実」と慎重に語る。凱旋門賞(失格)から復活Vを飾ったディープインパクトを例に出して「そのときと違ってフォワ賞も使っているし、レース後の期間も1週間短い(ディープは中7週)」と直前まで細心の注意を払って調整する。

 待ち受けるライバルも多彩。凱旋門賞で悔しい思いをさせられたソレミア、国内からはエイシンフラッシュ、ルーラーシップの強豪に、3冠牝馬ジェンティルドンナ、フェノーメノの3歳馬…。池添は「状態がいいのは感じているし信じるしかない」とパートナーの力を引き出すことに集中する。昨年の皐月賞、ダービーを制覇した思い出の府中で、新たな栄光の1ページを刻む。

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