【NHKマイルC】柴田大、涙の初G1

 「NHKマイルC・G1」(5日、東京)

 10番人気のマイネルホウオウがG1初制覇を成し遂げ、3歳マイル王に輝いた。ゴール前では激しいたたき合いとなったが、外から力強く脚を伸ばして混戦を制した。柴田大は史上2人目となる障害&平地G1制覇。2着にはインパルスヒーロー、3着にはフラムドグロワールが入り、1番人気のエーシントップは7着に終わった。3連単は123万5600円の高配当。今春は桜花賞、皐月賞、天皇賞・春に続き関東馬がG1・4連勝となった。

 最後は3頭に絞られた追い比べ。粘る最内のフラムドグロワール、中のインパルスヒーローをねじ伏せるように、大外からマイネルホウオウが首差抜け出したところがゴール。こん身のステッキを振るい続けた右腕を、柴田大は府中の空へ2度3度と突き上げた。

 「ごめんなさい…。よく覚えてないです…。本当にうれしいです…」

 レース直後のインタビューは涙で途切れ途切れになった。双子の弟・未崎(現調教助手)とともに1996年にデビュー。1年目に27勝、2年目に29勝を挙げながら、その後は騎乗数が激減。06、07年と1勝もできない年もあったが、どん底からはい上がってきた。11年の中山グランドジャンプでJ・G1を初制覇した時も思い切り泣いた。熊沢に続き史上2人目となる障害&平地G1両取りの快挙。区切りのJRA通算200勝も重なり表彰式では、大勢のファンから「ダイチ!」の声がかかった。

 最終レース終了後の記者会見は笑顔に戻って臨んだ。「4コーナーでは手応えが良かったが、前が残る感じもあった。最後にもうひと伸び、脚が出てくれた。馬のおかげ」とパートナーに感謝しながら、感慨深げに振り返った。スプリングS3着で皐月賞の優先出走権を得ながら、あえて選択したニュージーランドT‐NHKマイルCの路線。「結果が出せたのがうれしい」と、マイネル軍団の主戦騎手の責任を果たして安どの表情だ。

 畠山吉師にとっても00年の開業以来、初めてのG1タイトルになった。「本当にうれしい」と感無量の口ぶり。ただ、新たな悩みも生じた。皐月賞は自重したとはいえ、競馬の祭典ダービー(26日・東京)が残っている。安田記念(6月2日・東京)もあるだけに、「父はスズカフェニックスですが、短距離馬という印象は…」と揺れているようだ。「馬の状態を見極めて、ビデオもよく見て、オーナーとも相談して」と締めくくった。

 指揮官が「真面目な男」と評する柴田大と3歳マイル王ホウオウは、新たな高みを目指して突き進む。

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