トウカイテイオー逝く…25歳、心臓まひ
91年ダービーでシンボリルドルフとの父子制覇を達成するなどG1・4勝を挙げたトウカイテイオーが30日、心臓まひのため急死したことが明らかになった。25歳だった。けい養先の北海道・社台スタリオンステーションでは今年も種付けを行っており、関係者によると特に前兆もなく、それまでは元気だったという。
現役時代は安田隆行騎手(現調教師)とのコンビでデビューから進撃を続け、無傷の6連勝で皐月賞とダービーを制覇。ダービーのレース中に骨折したため父(84年)に続く3冠制覇の偉業達成はならなかったが、同年の年度代表馬に輝いた。
メジロマックイーンとの一騎打ちに沸いた翌92年の天皇賞・春で5着に敗れ初黒星を喫したあとは、度重なる故障によりレースを走ったのは4戦だけ。同年のジャパンCで復活Vを成し遂げたが、次戦の有馬記念は11着に惨敗するなど成績は浮き沈みが大きかった。
そんな“帝王”の競走生活のハイライトは、結果的にラストランでもあり、1年ぶりの出走となった93年有馬記念。中団待機から勝負どころで進出を開始すると、直線で菊花賞馬ビワハヤヒデをねじ伏せてまたもや奇跡の復活V。日本競馬の常識を覆す勝利に鞍上の田原成貴元騎手は涙した。長期休養明けG1勝利の最長記録(中363日)は今も破られていない。
種牡馬としてはトウカイポイント(02年マイルCS)やヤマニンシュクル(03年阪神JF)といったG1ホースを輩出。後継種牡馬こそ残せていないが、ドラマチック過ぎるほどの蹄跡は熱狂的な支持を集めた。11年7月に函館競馬場でお披露目されたのが、公の場での最後の勇姿となった。