「フォワ賞・仏Ｇ２」（１５日、ロンシャン）

　凱旋門賞・仏Ｇ１（１０月６日・ロンシャン）挑戦のため、フランスに乗り込んでいる日本馬２騎が注目の前哨戦を迎える。レース連覇を狙うオルフェーヴル（牡５歳、栗東・池江）はメンバー的にも落とせない一戦。海外デビューとなるキズナ（牡３歳、栗東・佐々木）は、いきなり同世代の強敵とぶつかる。ともに本番と同じ舞台で手応えをつかんでおきたい。

　オルフェーヴルが今年もフォワ賞をステップに凱旋門賞・仏Ｇ１に挑む。世界デビューとなった１年前に鮮烈なＶを決めたレース。大金星をゴール寸前で逃した本番での走りを含め、既に実力のほどは証明済みだ。

　春に国内３戦を終えた後の遠征だった昨年とは違い、今年は肺出血によるアクシデント（宝塚記念回避）もあり、大阪杯の１戦だけとフレッシュな状態。渡仏後には帯同馬に蹴られ外傷性の鼻出血を発症し、１週前追い切りをスライドするアクシデントはあった。だが、何度も逆境を跳ね返してきたのが日本が誇る最強馬だ。今年もライバルを蹴散らして、大願成就に向けて好スタートを切ることだろう。

　上半期にＧ１・３勝を挙げたアルカジームが７日の愛チャンピオンＳ（２着）に回ったこともあり、はっきり言ってオルフェのライバルとなる馬はいない。実績随一のキャメロットは今年初戦のムーアズブリッジＳこそ制したが、その後２戦は前述のアルカジームに完敗。無敗で英、愛ダービーを制した昨年の勢いはなく、今回の休養でどれだけ立ち直っているか。

　経験豊富な地元フランスの７歳馬ドゥーナデンは、トレイルブレイザーが６着に敗れた１１年香港ヴァーズなどＧ１・３勝を挙げているが、欧州では善戦止まり。Ｇ１初挑戦となった５月のイスパーン賞で３着に健闘するなど、〈３・１・２・１〉と堅実なマンドールも１２Ｆは長過ぎる印象だ。