武藤師の長男・雅君「父の馬で勝つ」
JRA競馬学校・騎手課程33期生の入学式が8日、千葉県白井市の同校で行われた。武藤善則調教師の長男・雅(みやび)君(16)、横山典弘騎手の次男・武史君(15)、木幡初広騎手の三男・育也君(15)の2世を含め、難関をくぐり抜けた6人(応募者数159人)が、3年後のデビューを目指して第一歩を踏み出した。
「一年間、悔しい思いでいっぱいでした。この場に立てて本当にうれしいです」。武藤師の長男・雅君は2度目の受験で合格。一度は高校に進学したが、あきらめない気持ちが実を結んだ。それだけに志も高い。「1年目から活躍して、世界で通用する、インパクトを与えられる騎手になりたい」と大きな目標を掲げた。
プロのサッカー選手を目指し、日々練習に明け暮れていた少年は、いつしか父親の背中を追っていた。中学時代に身長が伸び悩んだ子に、騎手への挑戦を勧めた父は「来る日も来る日もサッカー。でも、それで下半身が鍛えられた。これからはサポートもできるし、好きなことをやればいい」とエールを送った。
雅君にはもう一つ、大きな夢がある。「父の(管理する)馬で勝ち、姉がプレゼンター、そして母に勝利を贈りたい」。実姉の彩未さんは現役アイドルだ。
厳しい訓練を耐え抜いた先には、きっと明るい未来が待っている。