「マイラーズＣ・Ｇ２」（２７日、京都）

　完全復活だ。３番人気のワールドエースが、コースレコードを０秒４も更新する１分３１秒４の驚異的タイムで重賞２勝目。鞍上のシュタルケはこれがＪＲＡ重賞初勝利で「ベリーハッピー。馬の調子がいいのは分かっていた。初めてのマイルで距離は心配だったが、いいレースができたね」と満面の笑みだ。

　好スタートから４番手でスムーズに流れに乗った。１年８カ月ぶりだった前走とは違い折り合いも問題なし。抜群の手応えで直線に向くと、残り１Ｆで堂々と先頭へ。「（武）ユタカの馬が来たのは分かったが、自分の馬にも余力があった」。最後も力強い右ステッキで追撃を封じた。

　左前屈腱炎からの復帰２戦目で、約２年１カ月ぶりの白星。池江師は「さすがだね。（１２年）ダービー１番人気はダテじゃない」とうなずく。１着入線後、向正面で下馬するシーンもあったが「心配したけど、問題ない。何か振り落とされたみたいだね」と笑顔で説明した。

　この勝利で安田記念（６月８日・東京）への優先出走権も獲得。「まだ太かった（前走比１６キロ増）。出来は七分くらい。それで勝てたのは大きい。ここを使ってもっと良くなる」。シュタルケは５月１１日で短期免許が切れるため「次はクレイグ（ウィリアムズ）になるんじゃないかな」と次戦を見据えた。復活を遂げた素質馬が、今度はマイル界のエースを目指して突き進む。