カタール旋風!2億6000万円で落札
「セレクトセール2014」(14日、ノーザンホースパーク)
北海道苫小牧ノーザンホースパークで開幕した。
1歳馬のセリが行われた初日の14日はカタール王族のファハド・アルターニ殿下が「リッスン13」(牡、父ディープインパクト)を2億6000万円で落札。同セールで1歳セリが再開した06年以降では初めて、外国人オーナーが最高価格馬の落札者となった。殿下は既に馬主資格を持っており、来夏以降に日本で走らせる可能性も十分にある。1億円超えは昨年と同じ8頭。売り上げは2年連続で60億円を突破し、大盛況となった(※価格は全て税抜き)。
サングラスの奥で瞳がキラリと光った。8000万円でスタートした「リッスン13」は序盤から活発なセリが繰り広げられ、アッという間に2億円を突破。最終的には1歳馬としてはセレクトセール史上2位タイとなる2億6000万円でハンマーが打ち下ろされた。
歓喜に沸く外国人集団の中心には、昨年からセレクトセールに参加しているカタール王族のファハド・アルターニ殿下(落札名義は代理人のDavid Redvers)の姿が。関係者とガッチリ握手を交わし、「ファンタスティック」と満面の笑みを浮かべた。
今年は本気で日本の良血馬を取りに来た。昨年は5頭を落札したものの、1億円超えはゼロ。「高くて買えない」とぼやいていたようだが、さすが世界のサラブレッド市場を席巻する王族。1年前のリベンジと言わんばかりに大金をつぎ込み、母に英G1馬を持つディープインパクト産駒の獲得に成功した。
セリに同席し、オーナーの代わりに取材対応を行った中内田師は「馬は素晴らしい。血統的には世界のどこに行っても通用する。スタリオンプロスペクト(種牡馬としての将来性)もある」と器を絶賛。当歳セリも潤沢な資金を惜しみなく投入する予定というだけに、2日目も“カタール旋風”が吹き荒れる可能性は十分だ。