【凱旋門賞】須貝師インタビュー1
「凱旋門賞・仏G1」(10月5日、ロンシャン)
今年こそ、日本競馬の悲願を‐。世界最高峰のレースとして知られる凱旋門賞・仏G1(10月5日・ロンシャン)が今週末に迫った。今年は日本から3頭が出走。実質日本初となる“同厩舎からの2頭出し”で挑むのが須貝尚介調教師(48)=栗東=だ。レーティング世界No.1を誇るジャスタウェイとG1・5勝馬ゴールドシップ。5歳勢の強力ツートップを送り込む心境を聞いた。
◇ ◇
69年にスピードシンボリが初挑戦(着外)して以降、日本競馬の悲願として掲げられている凱旋門賞制覇。近年では社会現象を巻き起こしたディープインパクトは05年に出走して3位入線→失格、12、13年にはオルフェーヴルが2年連続で銀メダルと涙をのんだ。過去92回、欧州調教馬以外が勝利していない欧州伝統の一戦。須貝師は実質、日本競馬史上初めて2頭出しで挑む。
‐現在ベストレースホースランキングで1位(※1)をキープするジャスタウェイ、G1・5勝を誇るゴールドシップ。国内最強クラスの2頭をフランスへ送り込みます。
「頭で考えてできることじゃないですよね。開業時からいずれそういう所に行けるような馬を預かれればうれしいとは思っていましたが、簡単なことではないですから」
‐厩舎のスタッフジャンパーには日の丸が付けられています。
「いつかそういう舞台に立ちたいという気持ちで作ったんです。ジャスタウェイが春にドバイデューティフリーを勝って、日の丸を掲げることができた。ヨーロッパでも同じようなことができればいいですね」
‐今回はハープスター(牝3歳、栗東・松田博)を含めて日本から3頭が出走。いずれの騎手も日本人です。
「日本のチームとして、3頭で同じレースに出られる。どれが勝っても素直に喜べると思います。我々の職業は日本の競馬、血統の素晴らしさを世界へ伝えていかなくてはならない。それが海外からのお客さんを呼び込み、そして発展につながる。チャンスのある馬は、どんどん挑戦してほしいと思います」
競馬において海外への遠征はリスクも少なくない。金銭面ではオーナーに負担が掛かり、また競走馬は飛行機による長距離輸送や慣れない環境下での滞在を余儀なくされ、人間が思う以上のストレスを感じるという。
‐2頭のオーナーはともに今回の遠征を支持してくれました。
「ご理解いただき、本当に有り難いこと。ましてや、2人とも(大手グループではなく)個人馬主ですから。経費的にも負担が大きい。でもこれだけの馬ですからね。世界で“走らせないといけない”という責務が生まれたのではないでしょうか」
‐凱旋門賞への挑戦はいつごろから考えていたのでしょうか。
「ジャスタウェイは今、世界でレーティング1位。どこを使うかとなったときに、やはり凱旋門賞を意識しなければならない。ゴールドシップはファンからも“世界で走ってほしい”という声が多かった。欧州の重い馬場は間違いなく合いますから。ともにトップレベルに到達した時、2頭で行けたら最高だなと思っていました」
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