【中山大障害】跳んだ!キングダム初V

 「中山大障害・JG1」(20日、中山)

 向正面の最深部で竹柵を跳んだ1番人気アポロマーベリックが、連覇を目指し満を持してスパート。後続を引き離しにかかる。肝心の勝負どころで3番手のレッドキングダムは早くもガス欠気味。しかし、3、4コーナー中間の最終障害を跳んで“奇跡”が起きた。

 「竹柵を跳んだあとに1回、手応えがなくなった。でも最終障害を跳んだら(馬が)ハミをかけ直した」と北沢は振り返る。手綱を激しくしごいて追撃を再開。残り100メートルでとらえて、そこから飛ぶように躍動し3馬身突き放した様は、まさしくディープインパクト産駒のそれだった。

 「ゲートをすっ飛んで出て、道中も引っ掛かった。上手に乗れなかったが、馬が強かった。馬に感謝です」

 デビュー25年目、43歳でのG1初Vに鞍上は感無量の面持ちだ。これで今年の障害戦で12勝目となり、2位の西谷に2勝差をつけてリーディング首位を快走。「中1週、初の斤量63キロ。あれだけ掛かって最後まで持つスタミナはすごい」と今回が初コンビとなった相棒を手放しで褒めた。

 先週の阪神JF(ショウナンアデラ)に続きJRA重賞通算79勝目となったディープインパクト産駒は、これがJ・G1初勝利。希代の名馬は、万能とも言える底知れない力でハードル界にも新たなスターを誕生させた。

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