有終ランのジェンティルが年度代表馬

 歴史的名牝が新たな栄誉を手にした。「2014年度JRA賞」の受賞馬選考委員会が6日、東京都港区のJRA六本木事務所で行われ、ドバイシーマクラシック、そして引退レースとなった年末の有馬記念で有終Vを決めたジェンティルドンナ(牝6歳、栗東・石坂)が最優秀4歳以上牝馬の座を獲得するとともに、栄えある年度代表馬に輝いた。3冠牝馬に輝いた12年に続き2度目の快挙。授賞式は26日に都内のホテルで行われる。

 ラストランの有馬記念制覇から9日-。最強牝馬が新たな勲章を手にした。14年度JRA賞の年度代表馬に輝いたのは、285票中、231票を獲得(最優秀4歳以上牝馬は満票)したジェンティルドンナ。繁殖入りする名牝が3冠牝馬に輝いた12年に続き、2度目の栄誉を手にした。

 石坂師が喜びを口にする。「最後にインパクトのあるレースをして、ラストランを決めてくれたことが大きな要因になったのかなと思います」。G1馬10頭が出走した有馬記念。春のグランプリホース・ゴールドシップや、世界No.1のレーティングホース・ジャスタウェイなどをねじ伏せた、史上最多タイとなる芝G1・7勝目が票につながった。

 14年は2戦目のドバイシーマクラシック制覇で世界にその名をとどろかせた。しかし、その後は宝塚記念9着に天皇賞・秋2着。3連覇に挑んだジャパンCも4着と敗れた。「ドバイですごい競馬をして勝ってくれましたが、その後は世間から“終わった”と思われていると感じていた。でも、私自身は“そうじゃない”と思っていた」。指揮官が“最高傑作”を自負してきた逸材だ。それを見事に証明する有終Vを成し遂げた愛馬に胸を張る。

 これで5つ目のJRA賞獲得となった。牝馬3冠を含むG1・4勝を挙げた3歳時には、最優秀3歳牝馬と史上初の3歳牝馬による年度代表馬に選ばれた。また、4歳時には最優秀4歳以上牝馬を獲得。3、4、5歳時と3年連続での獲得だ。「3歳でもらった時は“まだまだ年度代表馬をもらえる可能性がある”と思いましたが、2度ももらえるのはありがたいこと。感謝という言葉では表現できない」とトレーナーは感慨深げに話す。

 5日に繁殖生活を送る北海道安平町のノーザンファームに到着。初年度の交配相手にはキングカメハメハが最有力視されている。「今度は母親としてすごいプレッシャーがあるかもしれませんが、末永く幸せに暮らしてほしい」。歴史に名を刻んだ7冠馬の子は早ければ18年にデビュー予定。優秀な血を産駒が受け継いでいく。

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