【日経新春杯】岩田“神騎乗”デウスV
「日経新春杯・G2」(18日、京都)
極限にコースロスを排除した岩田の“神騎乗”が、挫折を経験した若き4歳馬に重賞初勝利をもたらした。昨年のダービー7着以来、7カ月半ぶりに戦線に復帰したアドマイヤデウスが、休養明け初戦からいきなり勝利。好発を決めると、道中は好位のインでジッと我慢して、直線も迷わず最内へ。ラチ沿いに潜り込むと、メンバー最速となる上がり3F33秒8の末脚で鮮やかに突き抜けた。
「自分でハミを取ってリズム良く運べました。直線まで我慢すれば、伸びてくれると思ったし、うまいこと内をさばけましたね」。これで10年連続のJRA重賞勝利となった岩田は胸を張る。
手綱さばきが光ったのも確かだが、デウス自身の進化も見逃せない。ダービーのレース中に左ヒザを骨折。3歳後半シーズンを棒に振ったものの、その休養で背丈が伸びて古馬らしい体つきに変化した。3走前の若葉S勝利時から手綱を取る岩田は「落ち着きが出ているし、大人になったと思う」と精神面での成長も口にする。
ブランクをあっさりと克服しての復活劇に、夢も一気に膨らむ。「もっと走ってくると思う」と主戦はさらなる飛躍を期待。橋田師も「できれば菊花賞を使いたかったくらいで、長い距離もいけそうな馬だからね。天皇賞・春(5月3日・京都)が一番の目標」と、はっきりと春の盾を視線の先にとらえる。古馬王道路線に有望な新星が誕生した。