「フェブラリーＳ・Ｇ１」（２２日、東京）

　勢力図を塗り替える－。昨年はコパノリッキーが優勝。過去１０年でも４歳馬は〈４３１２９〉と好成績を挙げており、４頭が参戦する今年も当然マークが必要だ。なかでも勝負駆けのすばるＳを快勝してＧ１切符を手にしたレッドアルヴィスは、同じ舞台で行われた昨年のユニコーンＳの覇者。疲れ知らずで、中１週もなんのその。４歳で同レースを制したゴールドアリュールとの父子制覇を狙う。

　異父兄に１２年ＮＨＫマイルＣの勝ち馬カレンブラックヒルを持つレッドアルヴィスだが、馬格に恵まれた同馬はダートＧ１で４勝を挙げた父ゴールドアリュールの血が色濃く出た。父は４歳で出走した０３年にこのレースを制覇。若くして一気に砂の頂点を極めた。

　一方、息子のアルヴィスはまだ成長途上。前傾姿勢で、体をうまく使えていない。安田翔助手は「トモが緩いのでハミに頼って走っている。なので、いざ追いだすと加速するまでに時間がかかるんです」と現状を語る。

　そんな課題の多いなかで、既に重賞ウイナーに。仕上げ人は「今の成長度合いでよく走っている。トモがパンとすれば、道中のためが利いて最後までしっかりと動けると思う」と本格化した姿を描く。隠し持っているギアがもう一段上がれば、もうワンランク上のパフォーマンスを見せられるはずだ。

　その瞬間が、この大一番であってもいい。「勝つことだけを求めたレースだった」と話す勝負駆けのすばるＳを快勝。狙い通りに、Ｇ１の舞台へ駒を進めた。疲れ知らずの４歳馬らしく「レース後のダメージはなかった。先週の１週間で気持ちもオフにできた」。中１週のローテでも出走態勢は万全だ。

　あくまでも挑戦者の立場。それでも「来年の主役になるぐらいの期待を持っている。強いメンバーと戦うことが、すごくいい経験になる。この馬が成長する上で、必要な一戦だと思います」と志は高い。スッと番手に取り付ける先行力が武器。コパノリッキーが生む激流を耐え抜けば、隠れていたギアが上がる可能性は十分にある。