【フェブラリーS】リッキー初連覇
「フェブラリーS・G1」(22日、東京)
15年最初のG1はレース史上初の連覇で幕を開けた。1年前は最低人気だったコパノリッキーが、今年は1番人気に応えてV。2番手から力強く抜け出す快勝劇を演じた。4勝目を挙げた鞍上の武豊、3勝目の村山師ともに同レース歴代最多勝。今後はかしわ記念(5月5日・船橋)で再び連覇を狙う。2着は5番人気のインカンテーションで、3着には3番人気のベストウォーリアが続いた。
単勝272・1倍の最低16番人気で大金星を挙げてから1年、同2・1倍の主役として帰ってきたコパノリッキーが、史上初の連覇を決めた。歓喜のゴールを通過し、武豊は右手で小さくガッツポーズ。13年マイルCS(トーセンラー)以来、1年3カ月ぶりのJRA・G1制覇に「ホッとしました。1番人気でしたからね。昨年は中央G1を勝てなかったし、今年こそはと思っていました」と白い歯をこぼした。
冷静な判断で勝利へ導いた。逃げ宣言のコーリンベリーがまさかの出遅れ。自身も決して好スタートではなかったが、慌てず本来の先行策に持ち込んだ。外からアドマイヤロイヤルがハナを主張すると、かぶせられないように外めの2番手に誘導して直線に向く。
「いいペースで運べたし、手応えも良かったので自信を持って乗った。あとはゴールまで頑張れという気持ちでした」。残り2Fで追いだすと、最後は右ステッキを8発。半馬身という着差以上の強さで後続を完封した。
12年テスタマッタを含めて3度目のVを決めた村山師も「直線は緊張したが、本来の力を出せれば強い競馬ができると信じていた」と胸をなで下ろす。馬体重は前走比2キロ減の536キロ。「体重を増やしてパワーアップして臨みたかったが、マイナス体重に。きょうは馬の力に助けられました」と最敬礼した。
風水の後押しもあった。「ラッキーフードはおすしだったので、11時半に銀座で食べてきました」と師はこの日、Dr.コパこと小林祥晃オーナーと会食し、運気を高めて臨んだ。首には勝負服の刺しゅうが入った黄色のネクタイ。見えない力のサポートに、武豊も「風水のおかげですね」と笑顔で感謝する。
ドバイ遠征を控えたホッコータルマエが不在の一戦。指揮官が「直線は“タルマエがいないんだから粘って”と思っていた。意識している自分がいました」と話す通り、次に狙うのは2連敗中のライバルへの雪辱だ。次戦はかしわ記念の予定だが、年内の大目標はチャンピオンズC(12月6日・中京)。さらなる進化を遂げ、国内ダート界の統一王者を目指す。