【高松宮記念】ストレイト悲願成就へ

 「高松宮記念・G1」(29日、中京)

 1番人気を背負った昨年は不良馬場に切れ味をそがれて3着。昨秋のスプリンターズSも良馬場発表ながら脚を取られる馬場に2着と涙をのんだ。馬場に泣かされてきたストレイトガールが悲願成就に燃えている。

 リベンジを果たしたい。そんな気持ちを胸の内に秘めながら全休日の23日朝、田中助手は「ここまでは順調に来ていますよ」と静かに口を開いた。「2週前にジョッキー(岩田)が騎乗した時に『馬体が小さくないかな』と指摘されたんです。それが先週の段階では『変わってきましたね』と言ってくれた。調教を重ねるたびに馬体の張りが出ている」と青写真通りの仕上がりに胸を張る。

 確かに抜群の瞬発力を見せた1週前追い切り後には、岩田が「体の張りが出てきたことが大きいです」と納得の表情を見せた。鞍上の疑念は先週の段階で解消されている。

 そして、その後も上昇カーブを描いているという。「先週からさらに変化していますよ。休み明けになりますが、この馬はステップはいらない。使わなくても気持ちが入れ替えられるんです」と大舞台に向けて着々と態勢を整えている。

 「昨年のような馬場状態にならなければ。良馬場がいいのはもちろんです。でも、ドボドボの馬場でなければ」と、今度こそ馬場を味方につけたいと願う。昨年暮れの香港スプリントで後じんを拝したエアロヴェロシティへの、地元でのリベンジも懸かる一戦。「何とかG1を獲らせたい」と半端ではない気合の入り方だ。

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