【桜花賞】担当馬2頭出走の佐藤装蹄師

 「桜花賞・G1」(12日、阪神)

 桜花賞に担当馬2頭を送り出す装蹄師がいる。キャットコイン、ココロノアイの佐藤盛男装蹄師だ。キャリア45年。これまで菊花賞馬レオダーバン、名障害馬ゴーカイなど多数の活躍馬の脚元(爪)をケアしてきた。

 ともにステイゴールド産駒だが、デイリー杯クイーンCを制した無傷の3連勝馬キャットコインは「とにかく敏感な馬。厩務員さんには従順だが、鉄を打つ時は苦労します。腰を痛めたから息子の力を借りないと無理」と苦笑い。チューリップ賞の覇者ココロノアイは「洗い場に入るまでにゴネたりする時もあるが、鉄を打つ時はおとなしいよ」と2頭の性格の違いを話すが、「ともにスイッチが入ると大変だね。だからこそ、競馬で無類の勝負根性を発揮するんだと思う」とうなずく。

 装蹄の仕事に機械が入り込む余地はない。わずか1ミリの削蹄、蹄鉄の削り具合の差が、屈腱炎など致命的な病気の要因になる。経験の積み重ねこそが重要だ。「G1馬も未勝利馬も仕事の中身は同じだよ」と言うが、やはり担当馬がG1を使う時はワクワクする。5日に栗東トレセンで、2頭が競馬に臨む蹄鉄を打った。「1頭(ルージュバック)抜けて強いと言われているようだが、(担当の)2頭で負かして1着同着になれば最高だね」。“つま先の番人”の偽らざる本音だろう。

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