【小倉記念】メイショウナルト軽快
「小倉記念・G3」(9日、小倉)
好仕上がりをアピールだ。一昨年の覇者メイショウナルトが、小倉ダートでシャープな伸び脚を披露。来年2月で引退となる武田師にとって、夏の小倉開催は今年がラスト。愛馬とともに、最後の小倉記念制覇を狙う。
玄界灘から吹く風が自然と好調時の自分を呼び起こしてくれる。メイショウナルトの最終リハは6日、午前6時半過ぎの小倉ダートで行われた。丹念に角馬場で体をほぐしたこともあり、力みのないフォームで外ラチ沿いを周回する。単走で終始馬なりだったが、最後まで脚さばきは軽快そのもの。気持ち良さそうに弾んで、5F69秒9-38秒6-11秒7のタイムをマークした。
騎乗した水元助手は「先生の指示もあり、目いっぱいにやらずに流しました。感じは良かったですよ」と好感触を伝える。動きを見届けた武田師も「特別なことはないよ。追い切りは動く馬だし、いつもと同じだね」と、上々の仕上がりに納得の表情を浮かべた。
自身2度目の制覇に向けて、昨年よりも早く、レース2週前の7月26日に小倉入り。師は「輸送して、もし何かあったときに1週間じゃ対応できない。もしもの時に対応できるように」と意図を説明する。滞在期間を延長したことで、「落ち着いて、カイバもよく食べている」と、感触は3着だった昨年以上のようだ。
来年2月で定年を迎える指揮官にとって、夏の小倉は今年が最後だ。自身が騎手になる前の中学時代からの“付き合い”だという師は「もう50年以上。小倉の水が合うね。ただ、勝ちたいと思ってもなかなか勝てないから、競馬は。難しいよ」と穏やかに笑う。愛馬も重賞初Vなど、全6勝中3勝を挙げる小倉巧者。思い出の地で、人馬ともに集大成を飾る。