【ローズS】ビクトリーさらに上昇
「ローズS・G2」(20日、阪神)
強力牝馬の宝庫・栗東の角居厩舎から、楽しみな逸材が重賞に初挑戦する。01年エリザベス女王杯馬トゥザヴィクトリーを母に持つトーセンビクトリーだ。この夏2連勝で一気に素質が開花。強力馬のそろう前哨戦を突破し、初の大舞台となる秋華賞(10月18日・京都)を目指す。なお、このトライアルで復帰予定だった昨年の最優秀2歳牝馬ショウナンアデラは脚部不安を発症し、回避することになった。
5歳にはラキシス、デニムアンドルビー、ディアデラマドレ。一つ下の世代にはイサベルがいる。強力な牝馬が主力を形勢する角居厩舎にあって、近い将来のクリーンアップ候補と言えるのがトーセンビクトリーだ。
母は01年ドバイワールドCの銀メダリストで、同年のエリザベス女王杯を制したトゥザヴィクトリー。昨秋の未勝利V後に骨折。軌道に乗るまでに時間を要してしまったが、今夏の中京、小倉で連勝を飾り、いよいよ才能を開花させてきた。
母ともコンビを組んだ武豊は「初めて乗った時から素質を感じていました。お母さんは乗り難しい面がありましたが、そういうところもなく乗りやすいタイプ。本当に楽しみですし、確実に(秋華賞の)権利を獲って堂々とG1に挑戦したいですね」と力が入る。
連勝の勢いそのままに、さらに状態は上がっている。最終リハは栗東CWで3頭併せ。我慢を利かせることを確認しながら、バネのあるフットワークを繰り出した。「春とは全然違います。充実して大人になりました。十分、通用すると思っています」と吉岡助手も意欲を隠さない。
近4年、夏に条件戦を使ってきた馬が連続して3着以内に食い込んでいる舞台。本番で母の無念(99年、1番人気で13着)も晴らすべく、勢いに乗った良血馬が権利を奪う。