【シリウスS】ユタカ、重賞300勝
「シリウスS・G3」(3日、阪神)
名手が新たな金字塔を打ち立てた。中団追走から直線で抜け出し、3番人気のアウォーディーが3馬身差の完勝で重賞を初制覇。鞍上の武豊騎手(46)=栗東・フリー=はデビュー29年目で史上初となるJRA重賞通算300勝(うちG1・69勝)を達成した。
名手がダート界の新星アウォーディーで前人未到のJRA重賞通算300勝を成し遂げた。道中は中団の内。じっくりと脚をためて向正面で外へ。出遅れたナムラビクター、引っ掛かり気味に進んだダノンリバティの動きに惑わされることなく完璧なエスコートで馬群から抜け出した。武豊ならではの好騎乗だった。
「前走が思った以上に強かったので、楽しみにしていました。メンバーが強くなっていたのに完勝でしたね」。デビューから28年7カ月3日でのメモリアルV。「素直にうれしい。でも通過点です。(報道陣から)“ベルカント(4日のスプリンターズS)で達成ですね”と言われていたけど、ここで達成できると思っていましたよ」と満面の笑みを浮かべた。
もちろん、記録達成はアウォーディーの強さがあったからにほかならない。ダートに転向して無傷2連勝。「強かったですね。チャンピオンズC(12月6日・中京)を目標にしたい。それにしてもユタカ君の300勝に関わることができて良かったです」。現役時代、腕を競い合った2歳年上の松永幹師は“仲間”とともに成し遂げた大記録を喜んだ。