【CC】サンビスタ牝馬初V大金星

 「チャンピオンズC・G1」(6日、中京)

 まさに完勝で、並み居る強豪牡馬を一蹴。12番人気の6歳牝馬サンビスタが、史上初の牝馬によるJRAダートG1制覇を成し遂げた。内から末脚を伸ばした3歳馬ノンコノユメが2着。3着には大外から強襲したサウンドトゥルー。連覇を狙った2番人気のホッコータルマエは5着。1番人気のコパノリッキーは逃げて7着に沈んだ。

 砂の歴史を変える大金星を、桶狭間の地に刻み込んだ。男馬の猛者を従え、先頭でゴールに飛び込んだのはサンビスタ。史上初めて牝馬がJRAのダートG1を制した。

 「すごい気持ちがいいですね。パドックで角居先生から“牝馬は(これまで)4着が最高”と言われていたんです。でも、僕はそれより上に来ると思っていた。記録をつくれてうれしい」と、M・デムーロは顔を紅潮させた。今年3月、JRAの騎手になった時に語った抱負の一つが「ダートG1を勝つこと」だった。これまでG1どころか、JRAのダート重賞を勝ったことすらなく、「目標を達成できて本当に良かった。JRAの騎手になれたから、こうして勝つことができた」と感慨に浸った。

 12番人気とは思えぬほど強い勝ちっぷりだった。好スタートを切り、道中は5、6番手の内でロスなく追走。3角過ぎから流れが一気に速くなっても、歴戦を重ねた6歳牝馬は決して慌てなかった。直線で前があくと、外へ持ちだしコパノリッキー、ホッコータルマエの両実力馬をまとめてかわして行く。最後は内からノンコノユメが迫ってきたが、追撃は許さない。これも完璧に封じ込めると、M・デムーロは右手を高々と天に突き出した。

 「久々に絶叫しました」と普段、冷静沈着な角居師も興奮を隠せない。昨年も「勝ちに等しいくらいの4着」と小躍りしたが、それどころか、正真正銘の“1着”を手にしたのだから無理もない。本来は今春、繁殖入りする規定だったが、現役を延ばした経緯があり感激もひとしお。さらに今回が引退レースの予定だったが「来春お母さんになる前に、もう1、2戦するかもしれません」と、年末の大一番・東京大賞典(29日・大井)出走も視野に入ってきた。

 チャンピオンズCはもちろん、フェブラリーSでも牝馬はことごとく牡馬の壁に跳ね返されてきた。それだけにサンビスタの戴冠は偉業と言っていいだろう。ウイナーズサークルで人馬に贈られた盛大な拍手が、その快挙を物語っていた。

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