【阪神JF】エンブレム折り合い面進歩
「阪神JF・G1」(13日、阪神)
98年の開業以来初のG1制覇へ、田村師が自信を持ってメジャーエンブレムを仁川の舞台へ送り出す。「当初から素質の高さを買っていた馬。デビュー以降のパフォーマンスからも期待しています」と大きくうなずいた。
牡馬相手の新馬-アスター賞をともに完勝して臨んだ前走のアルテミスSは、1番人気で2着。発走後は好位で運びながらも、500メートルを過ぎたあたりで暴走気味にハナに立つというチグハグな競馬になってしまった。それでも勝ち馬とはわずか首差。「負ける要素はないと思っていた」と悔しそうに振り返りつつも、「あんな形になってもラストは11秒台のラップを刻んでいたから」と能力の高さを再認識したという。
前走の結果を踏まえて、中間は調教に工夫を凝らしている。前に馬を置き、我慢をさせる追い切りを繰り返してきた。「スムーズな走りでコントロールは利いている。ルメールにもいい報告ができるね」と笑顔で話すのも、十分な手応えをつかんでいるからこそだ。
田村師とルメールのコンビはこれまで勝率31・6%、連対率52・6%を記録し、今年に限れば連対率は75%と、その相性は抜群だ。これまでG1では08年桜花賞での3着(ソーマジック)が最高のトレーナーにとって、仏国の名手の手綱は心強い限りだろう。ダイワメジャー産駒の素質馬が、2歳世代最初のG1で頂点を狙う。