【朝日杯FS】リオン頂点つかむ
「朝日杯FS・G1」(20日、阪神)
10年の歳月を経てのライバル物語-。05年の牝馬クラシックを彩ったシーザリオ、エアメサイアの子ども同士(リオンディーズ、エアスピネル)がG1の舞台で激突。素質高き良血馬の対決に注目が集まる。なお、18日に枠順が決まり、馬券は19日に前日発売が行われる。
リオンディーズは母に05年の日米オークス馬シーザリオを持ち、半兄が13年菊花賞&14年ジャパンCのG1・2勝馬エピファネイアという良血馬だ。
最終リハの翌日となる17日は入念な引き運動の調整。母&兄も担当した鈴木助手は「まだ動き自体は緩いけど、キャンターに行ってからの身のこなしは半兄よりもいい。ひしひしと可能性を感じました」と好感触を伝えた。
デビュー戦では道中かなり行きたがる若さを見せていたが、メンバー最速となる上がり3F33秒4をマーク。2着馬に1馬身半差をつける完勝劇だった。「まだ幼さが残っていて半信半疑でしたが、あんな競馬をしてくれました。楽しみを感じます」とうなずく。粗削りなレースぶりは高い能力の裏返し。「母や兄に近づける素質があるし、成長によっては超える可能性もあります」と限りない未来に思いをはせる。
勝てばデビューから29日目でのG1勝利は史上最速タイ(スティンガー=98年阪神3歳牝馬S)となり、キャリア1戦1勝馬のJRA・G1勝利は史上2頭目(11年阪神JF=ジョワドヴィーヴル)と記録ずくめだ。
母シーザリオは今回最大のライバルとなるエアスピネルの母エアメサイアと現役時代に2度対戦し、いずれも先着。10年の歳月を経て、その子ども同士が初めて激突する。目下2週連続重賞Vの角居&Mデムーロの勢いにも乗り、“代理戦争”を制して2歳牡馬の王者に上り詰める。