【朝日杯FS】シュウジ反撃モード
「朝日杯FS・G1」(20日、阪神)
たった1度の敗戦で見限るとしたら、それは甚だ早計というものだ。メンバー唯一の3勝馬シュウジが、至高の舞台で巻き返しをもくろむ。16日の栗東坂路でラスト1F11秒7という猛烈なタイムを記録。橋口弘師は「すごい動きだったね」と最終デモの内容に目を丸くしていた。
またがる岩田には鬼気迫る意気込みがうかがえる。追い切りはもちろん、その翌日も鞍着けから始まって乗り運動、ゲート練習と付きっきりでパートナーの調整に励んでいた。トレーナーは「(競馬開催のある)土日にも乗ってくれるなんて、聞いたことがないよ。あれほどの一流ジョッキーなのにな。本人も今回、期するものが相当にあるんだと思う」と鞍上の思いを代弁した。
前走のデイリー杯2歳Sは、エアスピネルに3馬身半差をつけられての2着。しかし、大外枠も災いしてか、ゲートを出てから外に逃げ、立て直す際にハミをかんで力んでしまうなど、終始スムーズな競馬ができたわけではなかった。「メンバーは前走以上に強くなるし、本質的には千二の馬。千二なら負けんよ」としながらも、「しっかりと折り合って、力を出し切れれば」と指揮官はマイルでの反撃に期待を寄せる。来年2月で引退する師にとっては最後の2歳G1。09年ローズキングダム以来の美酒に酔いたいところだ。