【朝日杯FS】スピネル2着偉業ならず
「朝日杯FS・G1」(20日、阪神)
偉業達成の瞬間は訪れなかった。1番人気のエアスピネルは、ゴール寸前で勝ち馬の強襲に遭い2着。3戦目で初めて土が付くとともに、史上初の“JRA・平地G1全22レース完全制覇”を目指した武豊の記録達成もお預けとなった。
レースは好スタートを決めて中団やや外めを追走。スムーズに折り合い、しびれるような手応えで直線へ向いた。満を持して鞍上が右ステッキを1発放つと、ゴーサインに瞬時に反応。全てが思惑通りに進んだが、最後の最後に想定外の展開が待っていた。
引き揚げてきた武豊は開口一番、「お母さんと同じや」と苦笑い。母エアメサイアは05年オークスで、リオンディーズの母シーザリオの2着に惜敗。“代理戦争”となった2世対決で母のリベンジを果たせず、「残念。相手が強かった。状態は良かったし、いいレースはできたが…完敗でした」と唇をかみしめた。自身16回目の挑戦もV逸。それでも「3戦目で一番いい競馬ができた。来年のクラシックで楽しみですよ」とパートナーの能力を再認識。気持ちを来季へと向けた。
笹田師は「オーナーとユタカと相談し、放牧を挟んで弥生賞(3月6日・中山)から皐月賞(4月17日・中山)、ダービー(5月29日・東京)のローテで行く予定です」と早くも宣言した。そして「いい意味で考えて、今度はやられた馬をやっつける立場になりましたから」とニヤリ。来春のクラシックで、この借りは必ず返す。