【朝日杯FS】リオン母子で宿敵撃破

 「朝日杯FS・G1」(20日、阪神)

 強烈な末脚でライバルを打ち砕いた。M・デムーロ騎乗のリオンディーズが、直線で1番人気エアスピネルをきっちり差し切ってV。武豊のJRA平地G1完全制覇を阻むとともに、栄えある2歳王者の座を手にした。1戦1勝馬によるG1戴冠は11年阪神JFを制したジョワドヴィーヴル以来2頭目、デビュー29日目でのG1Vは98年阪神3歳牝馬Sを勝ったスティンガーに並び最速の快挙。記録ずくめのVでスターホースへの道を歩み出した。

 デビューからわずか29日目。粗削りの良血馬が、仁川の直線で存分にその素質の高さを見せつけた。強烈な末脚を繰り出して、2歳王者の座を射止めたのはキャリア1戦のリオンディーズ。「すごい馬です」-。導いたM・デムーロが声を弾ませた。

 鮮やかなV劇だった。道中は最後方に構えて折り合いに専念。4角で大外に持ち出すと、先に抜け出していたエアスピネルとの一騎打ちに。直線の攻防はまさに、母シーザリオがエアスピネルの母エアメサイアを撃破した05年オークスの再現だ。上がり33秒3の脚でライバルに迫り、最後はきっちり3/4馬身差かわし切った。

 今年G1・4勝目となった鞍上は「初めての千六だったし、外枠だったのでゆっくり行こうと思った。(道中は)リズムを合わせて。最後はすごい手応え。よく伸びてくれた」と満足げに振り返る。武豊のJRA平地G1完全制覇を阻んだことには「ユタカサン、ゴメンナサイ」と平身低頭だったが、観戦に訪れていたマルティーナ夫人(26)、長女ルクレッツィアちゃん(7)、レティーツィアちゃん(5)の前での勝利は格別だ。一足早いクリスマスプレゼントとなったに違いない。

 M・デムーロ&角居師のコンビは、チャンピオンズC(サンビスタ)、チャレンジC(フルーキー)に続いて3週連続の重賞制覇。指揮官は「最後はミルコの名前を叫んでいました」と、会心の勝利に笑顔をのぞかせた。「馬の状態を確認してから」と今後については明言しなかったが、来春のクラシックが楽しみになったことは間違いない。「距離は2000メートルまで持つと思う。2400メートルは…頑張ります」とM・デムーロは意欲満々。半兄エピファネイアとのクラシック兄弟制覇へ。世代の王者として、貪欲にさらなる高みを目指していく。

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