【有馬記念】ゴールド有終準備万端
「有馬記念・G1」(27日、中山)
芦毛の6冠馬ゴールドシップが、ラストランに向けて23日、最終追い切りを行った。再タッグを組む内田博を背に、馬なりながら力強いフットワークで僚馬に先着。史上最多となるドリームレース4勝、ディープインパクトなどと並ぶG17勝を成し遂げて有終の美を飾りたい。きょう24日に枠順が確定し、馬券は25日に一部ウインズで前々日発売を実施。なお、ジャパンCの覇者ショウナンパンドラは体調が整わないため回避が決定した。
上りに上ったこの坂で、パワフルに追い切る姿はもう見られない。ファン投票第1位、ラストランに臨むG16勝馬ゴールドシップが、コンビを復活する内田博を背に、栗東坂路で正真正銘の最終追い切りを行った。
刻んだ時計は4F53秒2-38秒1-12秒5。道中はベロンベロンに舌を出して走っていたが、これも気分がいいときのサインと見るべきか。ラスト1Fでしまいをグッと伸ばして僚馬レッドヴェルサス(2歳未勝利)に1馬身先着。堂々のA評価だ。「先週、きっちりとやっているので。スイッチが入っていたし、息を整える程度」と須貝師は調教の意図を説明。「うまくいったと思う」と納得の表情を見せた。
13年ジャパンC(15着)以来の実戦騎乗となる内田博は「またコンビを組めると思うと、うれしさが湧いてきました」とストレートに喜びを表現する。有終Vを遂げるべく、今回は16日の1週前追い切りから騎乗して感触を確かめた。「以前と変わった部分は、年齢を重ねて、人の指示に対して前向きに従うようになったところ。変わらないところは気の荒さですね。自分が一番だと主張する馬なので」と成長した姿に目を細めた。
11年7月9日のデビューから1633日目で迎える最終戦。史上最多のグランプリレース4勝を決めるとともに、ディープインパクトなどと並ぶG17勝を成し遂げたい。本番での作戦については「企業秘密です」と、けむに巻いたが、「この馬の能力を普通に出せれば、(完勝した)12年の有馬記念のような走りができると思う」と、あらためて相棒への厚い信頼を口にする。
共同会見の終盤、鞍上は自らのロマンも明かした。「ゴールドシップの子が数年後に活躍してくれると思う。今度は、子どもでダービーを勝てるように。それを夢見ています」。ファン投票12万981票の思いを背に、全力で駆ける師走の中山。芦毛伝説の最終章を記録ずくめのVで締めくくり、当日の引退式は勝者として万雷の拍手を浴びるつもりだ。