「阪神牝馬Ｓ・Ｇ２」（９日、阪神）

　装いを新たにマイル戦となった舞台で、再び白い馬体が鮮やかな逃走劇を決めた。２番人気のスマートレイアーが１番人気ミッキークイーンの猛追を首差しのいでＶ。東京新聞杯に続いて重賞連勝を飾った。

　この日５勝と絶好調のＭ・デムーロは「今は状態がいいし、スタートも良かった。最後も伸びてくれた。めちゃくちゃ強かったね」と口調も滑らかだ。大久保師とは番手の競馬を想定していたが、行く馬がいないとみると自らハナを主張。“デムーロ魔術”で絶妙なペースに持ち込み、まんまと逃げ切った。

　「この前のリプレイみたいで、安心して見ていられました」と大久保師はうなずく。内回りの１４００メートル戦だった２年前は大外一気で制したが、今回は外回りにも関わらず、一転して一度もリードを許さなかった。脚質に幅が出て、６歳にしてさらに進化している。

　次はもちろん、優先出走権を獲得したヴィクトリアマイル（５月１５日・東京）へ。「ジョッキーは未定だが、ミルコが理想ですね。以前と違って、体質が強化されてドッシリしている。Ｇ１に向けてうまく調整できると思います」と指揮官は手応えを口にする。悲願のＧ１制覇へ、今年のレイアーはひと味もふた味も違う。