【皐月賞】リオンディーズ最高のキレ
「皐月賞・G1」(17日、中山)
今季初戦の弥生賞(2着)でマカヒキに屈したリオンディーズは、不敗という冠を失った。2歳王者としてのプライドは、ライバルの台頭を許したことで、わずかに傷ついた。だが、この先、クラシックロードを突っ走る上で、必要な何かを学んだのも確か。無意味な敗戦では決してない。
「(1度使って)走りたいという力みが少しずつ取れて、体も締まってきました」。気負いの見られた前回を使って得られたのは上昇曲線。日々、上積みを感じると話す角居師の言葉通り、13日の栗東CWでの追い切りは“キレキレ”だった。
前へ前へという意識を消して、滑らかなフォームを繰り出す。先行した僚馬2頭とのスペースをしっかりと保って直線に向くと、馬なりのままギアを上げた。計時した時計は5F67秒6-39秒0-12秒3。ハッピーモーメント(6歳1600万下)に1馬身半、ネオアトラクション(4歳500万下)に半馬身追いつかなかったが、手応えには十分過ぎるほどの余裕があった。
「折り合いは大丈夫。最後はいい脚を使っていましたし、とても状態はいい。今年のメンバーはすごくてかなり強い。でも僕の馬は前回、久しぶりでしたからね。今回は楽しみです」。感触を確かめたM・デムーロは、警戒感を強めながらも自信を深めた様子だった。
「10に近い仕上がりだと思います。このメンバーで9分の出来というのは失礼でしょう」。世代間競争を勝ち抜く覚悟を指揮官は改めて示した。