【皐月賞】マカヒキ好時計 三冠ロードへ
「皐月賞・G1」(17日、中山)
馬主も、ここに至るまでの戦績も同じ。無傷3連勝で弥生賞を制したマカヒキが、05年に三冠馬に輝いた父ディープインパクトの蹄跡を追う。13日の栗東坂路での最終追い切りでは、素軽い走りを披露。父産駒の皐月賞初勝利へ、父以来となる11年ぶりの無敗皐月賞馬誕生へ。初コンビで挑む川田も自信を持って牡馬クラシック第1弾へ向かう。
デビュー地の阪神と京都の違いこそあれ、新馬-若駒S-弥生賞と無傷3連勝。マカヒキは同じ勝負服の鞍上を背に、父ディープインパクトと全く同じ軌跡を歩んできた。まずは牡馬クラシック第1弾。偉大なる父が得た“三冠馬”の称号を得るためには、落とせない一戦へ挑む。
最終追い切りは栗東坂路。スタート地点からスピード感あふれるフットワークで、グングンと加速していく。鞍上のアクションは特にないまま、単走、馬なりで4F52秒7-38秒6-13秒0を軽々とマーク。中山競馬場までの長距離輸送を考えれば、これ以上は望めないほどの絶好の動きを披露した。
前2戦で手綱を取ったルメールは、同じ無傷3連勝のサトノダイヤモンドを選択。重責を任された初コンビの川田は「これまでのレースは見ています。騎乗依頼があった時は、正直言ってうれしかった」と笑顔で話す。
6日に騎乗した栗東CWでの1週前追い切りでは6F77秒8の猛時計をマーク。それでいてラスト1Fを11秒7でまとめてみせた。「時計が思ったよりも速かった。走る馬の特徴だと思います」と、乗り手の感覚をも狂わせる極上の乗り心地を体感。自信を深めた。
年明けの若駒Sでは、父の同33秒6を1秒も上回る上がり3F32秒6の決め手を発揮して2連勝。前走の弥生賞では、スタートで出遅れるアクシデントも何のその。最優秀2歳牡馬リオンディーズをゴール前、首差とらえて無傷3連勝で最重要トライアルを制してみせた。3戦全ての上がり3Fはメンバー最速。まさに父譲りの末脚が武器だ。
勝てば05年の父ディープインパクト以来、11年ぶりとなる無敗の皐月賞馬誕生となる。「相手関係を考えると、今年は世代的なレベルの高さを感じます。“3強対決”と言われますが、イメージ的には3頭では一番後ろからの競馬になりそう。もちろん枠が出てからの話になりますが」とニヤリ。既に川田には、ゴール前差し切る、Vのイメージが出来上がっているようだ。