【オークス】シンハ豪快に差し切りV

 「オークス・G1」(22日、東京)

 悲願のG1初制覇だ。桜花賞で約2センチ差の2着に敗れた1番人気のシンハライトが、豪快に差し切って樫の女王の座に輝いた。池添は08年トールポピー以来のVで、今年のG1はこれが初勝利。管理する石坂師は12年ジェンティルドンナ以来、2度目の戴冠となった。2着は2番人気のチェッキーノ、3着は5番人気のビッシュだった。

 最後は人馬の執念だった。池添とシンハライトは直線に向いても、まだ後方馬群にいた。石坂師が「一瞬、どこにいるか分からなくなった」と話すほどの大混戦。直線半ばでデンコウアンジュと馬体をぶつけながら進路を確保すると、懸命に末脚を伸ばした。こん身の左ステッキが飛ぶ。先に抜け出したビッシュをとらえ、外から強襲したチェッキーノを首差退けたところが栄光のゴールだった。

 「桜花賞は悔しい2着。晴らすのはこの舞台だけと強い気持ちで臨みました。最後はよくかわしてくれました。すごい馬です。みなさん、今年のオークス馬はシンハライトです」

 約2センチ差で敗れた前走の雪辱を果たし、池添はファンに向けて高らかに宣言した。今春は自身もG1で2着3回、3着1回と悔し涙をのんできた。「いろんな方から“いつおめでとうと言わせてくれるの?”と声を掛けられていた。もっと腕を磨き、もっと勝てる騎手になりたい」と、あらためて気を引き締める。

 桜花賞馬ジュエラーが骨折で戦線離脱し、NHKマイルCを制したG12勝馬メジャーエンブレムも不在。戦前の1強ムードの重圧から救ってくれたのが、三冠馬の存在だ。「オルフェーヴルを超えるプレッシャーはない。緊張感はありましたが、自分の中でここは乗り越えないと、と思いましたね」。かつての相棒が自らの心を強く奮い立たせ、勝利を後押ししてくれた。

 12年ジェンティルドンナ以来、2度目の勝利となった石坂師も「最後は底力で見事に差し切ってくれた」とたたえる。母のシンハリーズは厩舎ゆかりの血統で、過去にも重賞馬のアダムスピークなどを輩出。一族初のG1制覇に「きょうだいはみんな走る馬。その中で頂点を極めてくれたのは本当にうれしい」と頬を緩めた。

 秋は牝馬3冠最終戦の秋華賞(10月16日・京都)を目標にする。復帰予定の桜花賞馬ジュエラーや、G12勝馬メジャーエンブレムと再戦の可能性もあり、池添は「3歳牝馬のNo.1を決めるレース。そこで1着になれるようにしたい」と言い切る。つかんだタイトルと自信を胸に、真の世代女王の座を目指す。

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