【ダービー】マジェスティ理想の調教
「日本ダービー・G1」(29日、東京)
順調な仕上がりを見せた。皐月賞馬ディーマジェスティは25日、主戦・蛯名を背に美浦Wで最終リハ。道中は少しチグハグになったものの、直線ではしっかりと末脚を伸ばして併走馬に先着を決めた。また、栗東では皐月賞2着馬マカヒキが坂路で追われて文句なしの動きを披露。逆転に向けて好気配を漂わせた。なお、きょう26日に枠順が確定。馬券は27日に前々日発売される。
伏兵の一角に過ぎなかった1冠目とは違い、有力馬の一頭として立つ競馬の祭典。皐月賞馬ディーマジェスティが、大一番に向けて万全の仕上げを施された。
中間の追い切りで初めて主戦が騎乗しての最終リハは、角馬場でじっくりと体をほぐしてから美浦Wへ。スタンド前から静かに進入し、シャラク(5歳1000万下)を3馬身前方に見ながら進行。向正面でいったんその差が広がったが、3角過ぎに再び差を詰めると直線は内へ。直線半ばでパートナーが待つ形にはなったが、これを内から馬なりのまま並ぶ間もなくかわすと、逆に3馬身先着してフィニッシュした。
6F80秒3-36秒1-12秒0のタイムに、蛯名は「(差が広がったのは)馬場の荒れているところを避けて走っていたからね。(直線は)内を通ったので、予定より少し時計は速くなったが、順調に来ている。手前の変え方がスムーズになって、体がしっかりしてきたね」と静かに振り返った。
2週前追い切り後の週末。いつものパターンで行ってきた軽めの時計を出さなかったことから不安説も飛び交ったが、二ノ宮師は「少し疲れが出たので時計を出さなかった」と説明し、1週前追いでは熱のこもった3頭併せでそれを打ち消した。「ピークの状態でダービーへ。そういう調教をしてきたし、理想の調教ができたね」とここまでを総括した。
追う立場から追われる立場へ。だが、主戦はあくまでチャレンジャーとしての姿勢を崩さない。「(皐月賞は)強い相手にどこまで通じるか、そんな気持ちで乗ったのも良かったんじゃないかな」。デビュー30年目を迎え、自身24度目の挑戦で目指すダービージョッキーの称号。「他の陣営も、もう一段ギアを上げてくるだろうし、これだけ力が拮抗していれば、あとは運が必要。どの陣営がそれを引き寄せられるか。あとはファンの皆さんに背中を押してもらいたい」。陣営一丸となって、最高峰の景色を目指していく構えだ。