五郎丸公認の競走馬がデビュー間近
五郎丸公認の競走馬がデビューへ-。中央競馬は29日に日本ダービーが終了。今週からはいよいよ来年のダービー馬を目指す2歳戦がスタートする。なかでも世間的に注目度抜群となるであろう芦毛のサラブレッドをご紹介。その名もゴロウマルウィン(牡2歳)が、運命のデビュー戦を目前に控えている。
馬名の由来はご想像の通り、今や国内で知らない人はいないラグビー日本代表の五郎丸歩選手(30)。昨秋のラグビーW杯で優勝候補の南アフリカから歴史的勝利をもぎ取り、キック前のルーティンは老若男女問わず大ブームとなった。ラグビーの知名度や魅力を存分に伝えてきた、あの五郎丸だ。
過去にはあたかも五郎丸から名付けたかのような競走馬も登録されているが、今回は完全にこれらと別物。親友のオーナー・上羽浩平氏(31)が五郎丸と考えながら命名した、いわば“本人公認”としては初めての馬なのである。
上羽氏は五郎丸選手と同学年。法政大学時代にアメリカンフットボールで全国選手権2連覇を果たすなど、輝かしい戦績を収めた。現在は保険関連の会社で日々汗を流している。「五郎ちゃんは早稲田大学でラグビーをやっていて、自分はアメフト。交流が深まったのは社会人になってからですね。今でもすごく仲がいいんですよ」と付き合いは7~8年になる。
自身は約3年前にJRA馬主の免許を取得。「W杯の後、食事をしながら“次に馬を買ったらゴロウマルにしようか”って話をしていたんですよね。それから色んな候補を考え、相談してゴロウマルウィンに決定しました」と経緯を語る。五郎丸選手は昨年のジャパンCで表彰式のプレゼンターを担当。これを機に競馬に対する興味が増しており、当人もデビューを心待ちにしているという。
「何より同級生がこうして大きな舞台で活躍することは本当にうれしいんです。違う世界ですが、負けたくない気持ちもありますよね」。両者は互いに刺激を受け、認め合い、そして成長を続けている理想的な関係。個人名義としては初の所有馬に、最高の名前を授けた。
ゴロウマルウィンは4月のJRAブリーズアップセールで1080万円(税込み)で落札。父は日本歴代最強ダート馬とも言われるクロフネ、母はスイートピグレットという血統だ。現在は美浦トレセンで順調に調教を積んでおり、管理する栗田徹調教師は「体重は500キロくらいでしょうか。素直な馬ですよ。これからもっと後肢に力がついてくればいいですね」と現状を報告する。注目のデビュー戦は6月18日の東京5R、ダート1400メートルを予定。五郎丸ばりのパワフルな走りを大いに期待したい。(デイリースポーツ・豊島俊介)