【安田記念】アラジン強敵撃破へ自信
「安田記念・G1」(5日、東京)
“打倒”モーリスへ-。京王杯SC快勝で勢いのあるサトノアラジンは1日、2週連続G1&自身の連覇を狙うダービージョッキー・川田を背に栗東CWで3頭併せ。楽な手応えで一気に突き抜け、好調をアピールした。また、昨秋のマイルCSでモーリスの2着したフィエロは、先週に続きルメールを背に栗東坂路で最終リハ。抜群の反応を示し、ひと叩きされての上昇カーブを伝えた。
G1連勝、そしてレース連覇へ。マカヒキでダービー初制覇を飾った川田が、京王杯SCで圧巻の差し切りVを決めたサトノアラジンとともに、マイル王へアタック。昨年自らの手綱でVへ導いた王者モーリスに挑む。
「ヨッ、ダービージョッキー!」。時の人となった川田は、栗東トレセンで会う人、会う人から握手を求められて祝福攻めにあっている。「重賞を勝ったくらいではあまりメールが来ないけど、さすがダービーですね。すごい数の人から連絡が来ましたよ」と笑顔で反響の大きさを語る。
ゴールの瞬間から勝利の確信はあったが、写真判定が出るまでの時間が長く、待たされた分、感極まったという。「何と言ったか分かりませんが、何か叫んでいました。その後“川田コール”があったみたいなんですが、気持ちが高ぶっていて全く気付きませんでした」。その言葉が、異常なほどの興奮度を表している。「8センチ差で勝っていて本当に良かった」。心の底からホッとしたというのが、偽らざる本音だ。
晴れてダービージョッキーとなった川田の栗東での初仕事が、アラジンの最終リハ騎乗だ。CWの3頭併せで内から豪快に突き抜けると、サトノノブレス(6歳オープン)に1馬身先着。「すごくいい雰囲気で追い切りを終えることができました。それが何よりですね」と納得の笑み。楽な手応えで、6F81秒7-37秒6-11秒7の好時計をマーク。池江師も「前走の疲れはない。体も引き締まって前走以上の状態」と、さらなる良化に手応えを口にした。
相手が強いのは百も承知。川田は「前走はあの位置から楽に勝ち切ってくれましたからね。本当に素晴らしい馬に乗せてもらえる。自信を持って全力でぶつかりたい」と腕を鳴らす。再び府中で栄冠を。頂点を極めた今なら、モーリス撃破の快挙をやってのけるかもしれない。