「安田記念・Ｇ１」（５日、東京）

　上半期のマイル王決定戦の枠順が３日、確定した。

　ど真ん中の偶数枠。ロゴタイプが５枠６番の絶好枠を引き当てた。調教中に知らせを聞いた佐々木助手は「どこでもと思っていたけれど、これはいい」と親指を立ててサムアップポーズ。作戦は決まったようだ。

　積極策で前には行く。周囲の出方を横目に作戦を決めるには、これ以上ない枠だ。「スタートを切ったところでハナに行ったなら行ったでいい。出たところで、みんなけん制し合うでしょう」と田中剛師。第１の選択はハナ。オプションとして主張してきた馬がいれば行かせて番手。競り合いにならず、余裕を持ってオプションプランとの選択判断ができるという点で、周りが一番よく見える真ん中は願ってもない。

　３日朝は美浦南の角馬場に出て右回り、左回りともに１０分以上、入念に乗り込んだ。「両手前ともしっかり確認しました。良かったですね」とトレーナーは笑顔でうなずいた。「マイルＣＳ（昨年９着）でスッとゲートを出たのに抑えてしまったり、力を出し切れずに負けたこともあった。そんなに切れる馬じゃないから早め先頭で押し切る競馬をしたい」。鞍上は時に大胆な騎乗で驚かせる田辺。思い切った競馬で１３年皐月賞以来の復活Ｖを狙う。