【エプソムC】ルージュ復活V末脚炸裂
「エプソムC・G3」(12日、東京)
脅威の末脚で牡馬を圧倒した。1番人気の4歳牝馬ルージュバックが復活V。昨年2月のきさらぎ賞以来となる白星で重賞2勝目を飾った。牝馬の勝利は94年ワコーチカコ以来、22年ぶり通算5頭目。2着に3番人気フルーキーが突っ込み、3着には6番人気マイネルミラノが逃げ粘った。
豪快な末脚でライバルたちを一蹴。素質馬ルージュバックが強烈なパフォーマンスで復活を告げた。
大外枠も問題なかった。「位置は考えずにスタートだけ気をつけていた」と戸崎圭。折り合いを欠くことなく、道中は中団の外めで我慢の競馬。直線でエンジンがかかると、持ち前の鋭脚をさく裂させた。「最近では一番の末脚。届くと思って追った」。残り100メートル過ぎで先頭へ。最後まで末脚は衰えず、悠々とゴールを駆け抜けた。昨年2月のきさらぎ賞以来、1年4カ月ぶりの重賞V。上がり3Fはメンバー唯一の32秒台(32秒8)をマークしていた。
デビュー3連勝で、将来を嘱望されたが、3歳牝馬クラシックでは1番人気の桜花賞で9着。続くオークスではミッキークイーンの2着と無冠に終わった。10戦中9戦でコンビを組む主戦は「この馬には申し訳ないレースばかり。きょうはうれしい。G1を勝った時よりもうれしいです」と喜びを全開させた。
大竹師も「ようやく力を証明できました」と久々の勝利の味をかみしめた。「一度使っての上昇度は毎日のように感じていたし、本当に良くなっていましたからね。ここへきて我々がイメージしてきた姿に近づいてきました」。復活を願い、試行錯誤を繰り返してきた陣営の思いが結実した。
前4年、当レースの連対馬8頭のうち3頭(12年2着ダノンシャーク、13年2着ジャスタウェイ、15年1着エイシンヒカリ)がG1馬に上り詰めている。高みを目指す4歳牝馬は今後、福島県のノーザンファーム天栄に放牧へ。大きな夢、G1制覇へ向けて、これからが本当の勝負だ。