【ラジオN賞】スピネル馬なりで加速
「ラジオN賞・G3」(7月3日、福島)
重賞初Vに向けて意欲満々だ。白百合Sを制したブラックスピネルの最終リハは29日、栗東坂路で併せ馬。ノーステッキだったが、軽快なフットワークで先着し、万全の態勢をアピールした。ゼーヴィントは美浦Wで軽めの内容だったが、上々の気配をアピールした。アップクォークも抜群の手応えで併入と、体調は文句なしだ。
もう派手な調整は必要なかった。ブラックスピネルの最終リハは、栗東坂路でトルストイ(6歳500万下)と併せ馬。外ラチ沿いを真一文字に駆け上がると、1完歩ごとに加速する。ラスト1F過ぎにハミをかけ直した程度だったが、力強く全身を弾ませて僚馬を2馬身置き去りに。終始、楽な手応えで4F52秒3-38秒2-12秒6をマークした。
音無師は「きょうは馬なり。もう馬はできているからね。輸送もあるし、これくらいでちょうどいい」と納得の表情を浮かべる。1週前の22日には、同坂路で4F50秒6と自己ベストを更新。2週連続で騎乗した生野助手も「先週、ビッシリと時計も出していますからね。反応も良く、抜け出す脚も速くて、すごくいい感じでしたよ」と、仕上がりの良さに自然と声も弾んだ。
鞍上の武豊は、夏の福島開催に10年ぶりの参戦。「街がすごい。天気予報でも、“あしたは良馬場でやれそう”とか言ったりするんだ。競馬熱が熱くて、歓迎ムードがあるよね」と楽しみにする。通算54戦は中央全10場で最も少ない騎乗数ながら、13勝(うち重賞2勝)、2着8回で、勝率24・1%、連対率38・9%は自身トップの数値。06年七夕賞(メイショウカイドウ)以来の重賞Vに自然と力が入る。
「クラシックにも出ていないのに、ハンデは随分見込まれたね」とトップハンデの57キロ克服を鍵に挙げるが、「千八くらいがいいし、距離は合っている。チャンスはありそう。うまくいけば」と意欲十分。名手がみちのくの夏を大いに盛り上げる。