サトノ爆買い 「いい馬買えた」総額13億2700万円
「セレクトセール2016」の2日目当歳セリが12日、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで開催された。
これでもか!と存在感を示したのが『サトノ』の冠名で知られる里見治氏。ディープインパクト産駒としては、当歳最高価格となる2億8000万円の値をつけた2頭をともに購入するなど、初日と合わせて合計13億2700万円の“お買い上げ”となった。悲願のG1制覇、ダービーVへ。万全のラインアップをそろえた(※価格は全て税抜き)。
5億600万円で6頭を購入した前日の1歳馬セールは、序章にすぎなかった。里見氏が2日目も“ディープコレクター”ぶりを存分に発揮。高馬を次々にゲットする豪快な“サトノ祭り”でセールを盛り上げた。
最初の見せ場は「イルーシヴウェーヴ16」(牡)だ。ディープインパクト産駒の当歳馬としては史上最高額となる2億8000万円で落札。アイルランドを拠点にする世界的なクールモアグループの御曹司M・V・マグナー氏との競り合いを鮮やかに制した。「相手は5億まではいくなんてうわさもあったから、3億を超えたらやめようと思っていた。シルエットから何から全てが一番。高いけど満足」。涼しい顔で勝利宣言を放った。
そして、今年のダービー2着馬サトノダイヤモンドの全弟「マルペンサ16」(牡)も再び2億8000万円で落札。1億円を超えても1000万円刻みで数カ所からポンポンと声が上がる熱い攻防を執念で制した。「今朝見たら、6月に見た時よりすごく良くなっていた。じゃあ、買わなくちゃしょうがないなと。金額?勢いで行っちゃった」と苦笑い。母マルペンサは同馬を産み落とした後に死んでおり、最後の産駒。鼻差でダービーを逃した兄の無念を晴らせるか、2年後のダービーが楽しみになった。
終わって見れば、2日間で8頭のディープ産駒を含む13頭を購入。お買い物合計金額は実に13億2700万円に上った。「いい馬が買えたので(満足度は)100%。金額はちょっと行き過ぎだけど…」。サトノ軍団悲願のG1制覇へ、着々と態勢を整えている。
里見治氏のアドバイザーを務めるのが、ディープインパクトを手掛けた池江泰郎元調教師だ。母が09年仏1000ギニー覇者の「イルーシヴウェーヴ16」(牡)は「筋肉量が多く、素晴らしい馬。(サトノ)ダイヤモンドに近いかも」と評価。サトノダイヤモンドの全弟「マルペンサ16」(牡)も「バランスが良く、柔らかい。ディープの特徴が出ている」と話し、2億8000万円で落札された同産駒2頭を絶賛した。