菜七子まさかの放馬…競走除外で世界デビューお預け

 “世界デビュー”は、ほろ苦いものとなった。イギリスのサンダウンパーク競馬場で19日に行われた「レディースワールドチャンピオンシップ」の第13戦(純血アラブ、芝1600メートル)に、JRA代表として参戦するはずだった藤田菜七子騎手(19)=美浦・根本厩舎=だが、レース前のパドックで立ち上がった騎乗馬に振り落とされ、まさかの放馬。競走除外となり、レースに参加することができなかった。人馬ともに軽傷で済んだが、菜七子は除外が決まると無念の涙をこぼした。

 同シリーズは、アラブ首長国連邦アブダビのファティマ・ビント・ムバラク妃殿下が各国の女性騎手を招待する競走で、今回は10カ国10人が参加。プロは菜七子以外に豪州、韓国代表だけで、他の7人はアマチュア騎手だった。今年は世界各地で年間14戦を争い、11月13日にアラブ首長国連邦アブダビで第15戦「ファイナル」が行われる。ファイナルには各レースの上位者が参加するが、主催者は菜七子を特別に招待する意向だ。

 昨年5月には名古屋競馬所属の木之前葵騎手(23)がイギリスのリングフィールドで行われた第8戦で見事に優勝。ファイナル進出を果たしている。

 JRAの女性騎手としては、細江純子元騎手(99年シンガポールで日本人女性騎手として海外初V)以来、2人目となる海外での騎乗を目指して渡英。9日に19歳を迎え、今回がプライベートも含めて初めての海外となった菜七子だが、まさかの結果に終わってしまった。

 藤田菜七子「本当は勝ってファイナルに行きたかったですが、このような形になってしまい残念です。でも、初めての英国遠征で馬場を歩いたりして勉強になったことも、たくさんありました。この経験を今後に生かしたいです」

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