【WASJ】デムーロ母国に捧ぐV イタリアで大地震 喪章つけ騎乗
「ワールドオールスタージョッキーズ」(28日、札幌)
うれしいシリーズ初制覇だ。2勝を挙げたミルコ・デムーロが80ポイントを獲得し、2位の武豊に19ポイント差をつけて優勝した。3位は第4戦を勝利した永森大。なお、チーム対抗戦は、JRA選抜がWAS選抜(外国騎手・地方競馬代表騎手)に37ポイント差で勝利した。
母国を背負って戦う、特別なシリーズだった。母国イタリアで発生した大地震の犠牲者を悼み、この2日間は腰に喪章をつけて騎乗したM・デムーロが、見事にシリーズ初優勝。「すごくうれしい。(武)ユタカさんが怖かったけど、すごく気持ちいい」。表彰台のてっぺんに上がった名手の表情は、達成感に満ちあふれていた。
「いい馬に乗れたから2勝もできたね」。そう謙遜するが、2勝は単勝11番人気と5番人気(除外馬の繰り上がり)。決して評価は高くなかった。「難しい馬って聞いていた」という第3戦のクリノハッチャンは後方で脚をため、絶妙な仕掛けで頭差勝利。勝ちたいという執念が実った。
地震で中世の美しい町並みがすべて崩壊した町は、自身の自宅から車で1時間半ほど。「多くの方が亡くなって悲しい。だからこそ、頑張りたかった。優勝賞金(300万円)は全額寄付すると思います」と故郷への思いを募らせ、シリーズを締めくくった。